第36話

その2




「コーフンしてるんでしょ?どうなの、はっきり言って!」



「あなたはどうなんっすか?今、性的コーフンしてるんですか❓」



「当たりまえでしょ。目の前で私の親友とあなたの”マブダチ”がいやらしい痴態を見せびらかしてたのよ。私だって体が疼くわよ」



「オレみたいな年下オトコにでも❓」



「うふふ…、とてもコーフンするわ、アナタに💖」



チヅルはそう言い終わる前に、右手を律也の腰あたりに当てていた手をズボンのチャックの上に移動させた。

すると…。



「うっ…」



思わず律也の腰がぴくっと反応した。

低いうめき声を発して。



***



「ズボンの上からでも敏感なのね。うふっ…、私でその気になってるんでしょ?」



「あの…、”そこ”なんで…。オレが疼く場所って…」



「ああ、下の方はここ(チヅルの解釈⇒トップの根本)なのね。じゃあ、上の方はどうかしらん~~」



チヅルのカレを這う両の手は、あっという間に律也の両胸…、その突端にワープした。

そこでは数本の指がこまめに蠢いている。



「どう~、律也君…、ここは?」



「チヅルさん…。そこは全然なんです」



「そうか…。なら、首筋はどうかな…❓ムフフ…」



すかさず年上のお姉さんは年下ターゲットの首元へ、厚手の唇を以って攻め立てたのだが…。



「感じないんです、そこも…。チヅルんさん…、自分、やっぱ人と違うかも…。おかしんだ、オレ‼さっき触られた”あの箇所”しかダメなんだもん‼」



律也はこのシチュエーションのど真ん中で、いわば、自己の訴えに従い、偽りなき絶叫を吐き出したのだ。

心の底から…。

それはある意味、ことごとく誠実なまでに。



で…、”それ”への唯一な受け手のたるチヅルは…⁉



「…」



とりあえず、目が点、瞬きはフリーズして、この体ということだった…。

だが…。









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