8. 創造
俺は正式にラ・ビアンのオーナーになった。と言っても、思いの外生活は変わらなかった。自分の部屋にあったものは全てオーナーの部屋に移し、世話係に雑用を任せた。娼館に来る常連は前オーナーの冥福を祈った。
俺は仕事をこなした。身なりはきちんとするよう世話係に言われ、二人で街の服屋に行き、スーツを買った。俺はまた世話係に感謝した。
オーナーと呼ばれるのにも慣れた。たまに来る雇われ希望の子供への対応も、前オーナーのそばにいた事で大体わかっていた。12歳のあの少年は、15で常連に買われた。俺があの町に行く回数は減っていた。それでもたまに彼に会えた。彼は家を出て職を転々としていた。掃除の手伝いや新聞配達だ。もう盗みを働く必要もないようだった。俺はそれを聞いて安心した。彼を買わなくて済むと思った。
ある夜、娼館に一人の少年がやってきた。金色の髪に青い目をした少年だ。彼は貧困故に大人に斡旋されてきたようだった。俺は彼の強さを感じた。迷った挙句、俺は彼を雇った。
彼はひどく汚れていた。俺は彼にシャワーを浴びさせ、飯を作ってやった。飯と言っても、卵に牛乳を混ぜて焼いただけのものだ。食堂で余った卵で世話係がよく作ってくれた。それと、パンとサラダ。
「すまんな、もう夜遅いから、食堂がやってなくて。こんなものしかないが。」
彼はなかなか食べなかった。小さく、家族に申し訳ないと言った。俺は彼の頭をワシャワシャと撫でた。
その日から俺は彼―ルーグに仕事を教えた。世話係とスーツを買いにいったときについでに買ったメイド服を着せた。なかなかによく似合っていた。
ここに来る少年はほとんど仕事のやり方を知らなかった。それを教えるのはオーナーや、先住の従業員たちの仕事だった。
「おいで。」
「はい。」
俺は一つ一つ、丁寧に教えた。少年はすぐに立派な品物になった。
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