【落ちぶれても天空の王なのじゃ!】

威張るなよ!


さて、この話で時系列に矛盾が出て来ます。


インド神話ならではですね。

気にせず読んで行きましょう。



◆◆◆◆◆


デーヴァを打ち破ったダイトヤ族は、誇りに溺れ、おのれの義務をないがしろにした。


彼らは勝利を短い間だけ楽しんだに過ぎなかった。



ダイトヤ族が義務を果たさなかった為、世界は衰え始め、不老不死の飲料アムリタはもう存在しなかった。



「のう、ヴィシュヌ。この状況、どうするべきかのう……。」



「どうって……。アムリタを作るしかないでしょうね。」



「どうやって作るんじゃ?」



「ダイトヤ族を含めたアスラ族を騙くらかして、一緒に作らせるんです。」



「うむ、分かった!ならば早速!」



ヴィシュヌの助言に従い、インドラはダイトヤ族に話をした。


同意したアスラ族と共に、デーヴァは大海をかき混ぜる。



これ、乳海攪拌ですね。



こうしてアムリタを作り、デーヴァはアスラを打ち負かす。



当然、インドラの境遇も改善された。


彼は策略だけで、天空の王の座に復帰したのである。


天国スワルガの王はインドラ。

これは依然として変わる事はない──。



「これにて儂の話はおしまいじゃ♪」



あ、締め括られた。

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