落ちぶれる天空の王

【奪われまくるスワルガ】

不敗を誇っていたインドラも、時代の移り変わりと共に敗北を味わう事となる。


その理由には新しい信仰が関係していた。


アスラは弟子として三大神に属しており、力は犠牲や苦行をして彼らを宥めれば得られていた。


それを実行してインドラを打ち負かしたのは、バーリ。


天国を奪われたインドラは、ヴィシュヌが化身したヴァーマナちっちゃい人によって国を取り戻した。



そして、次なる敗北はラーマチャンドラの時代。


ラーヴァナの息子メーガナーダに捕らわれたインドラは、彼の下男として奉仕させられた。


実はこれが、ゴータマから与えられた罰なのである。



「うう……、この罰は屈辱すぎる……。」



アハリヤーと一夜を共にした報いに嘆くインドラ。


その彼と一緒に捕らわれた神もたくさんいた。


メーガナーダに仕えたインドラとは違い、ラーヴァナの為に働いた神々。


アグニは料理をし、ヴァルナは水を運び、クベーラはお金を用意し、ヴァーユは宮殿を掃除した。


彼らの釈放の為、ブラフマーはメーガナーダにインドラジットの名と、不死という高い代価を支払う事となる。


この時彼が思った通り、インドラは更に落ちぶれて行くのであった。



「な、何じゃと!?これをアイラーヴァタにじゃと!?」



聖仙ドゥルヴァーサスから贈られた花輪。

それをペットの象に与えろと言われた。



誰に?

知らな~い(笑)


ドゥルヴァーサス、覚えてますか?

ラーマの弟ラクシュマナを死に追いやったあの聖仙です。



まあ、とにかく、贈られた花輪をペットに与えるという侮辱によって、インドラの三界に対する支配権は打ち破られ、他の神々も非常に弱くなってしまった。



ここで登場するのが、ラジというお人。



ラジはブラフマーから、デーヴァとアスラの絶える事のない戦いにおいて、勝利の軍を指揮する力を与えられた。


つまり、ラジが指揮した軍は必ず勝利するのである。


そのラジが、ダイトヤ族を率いてデーヴァと戦う。

力の弱くなったデーヴァ軍は、ダイトヤ族に打ち負かされてしまった。



そして天から追い出されたインドラは、憐れむべき状態に落とされる。



かつては数多くのいけにえの供物を強要したインドラ。


落ちぶれた彼は、わずかな供犠用のバターを物乞いしながら、他の神々のところを渡り歩いた。

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