【ヨーニの次はリンガ】

さて、1000個のヨーニマークの罰で彼の欲望が収まるわけは無く……。

どんどん恋心は膨らんで行った。



「のう、チャンドラ。おぬしに頼みがあるんじゃが……。」



と、月であるチャンドラに、策略の片棒を担がせる。



それはある日の真夜中の事。


トキの姿になったチャンドラが、トキの鳴き声を上げた。

その声を聞いたゴータマがむくりと起きる。



「朝のつとめに行って来る……」



彼は寝ぼけ眼で庵を出て行った。

トキの声に騙され、真夜中だという事には気づかずに……。



「ふっふっふ。今宵こそアハリヤーと一夜を共に……。」



ニヤリと笑ったインドラが化身する。


その姿はゴータマで。

眠るアハリヤーの隣に潜り込む。


隣に来たその人を、彼女は夫と信じて疑わない。

だから彼女は受け入れた。


ゴータマが帰った時には全てが終わっていたのだ。



「お……お前達は……何を……」



わなわな震え、彼は二人に呪いをかけた。



アハリヤーは石に変えられ、インドラは宦官(去勢された男)となった。



「うう……、儂の……リンガがぁ……」



不倫の代償は大きかったね。

ってゆーか、聖仙って怖い……。



恐い恐い聖仙の呪い。

石にされたアハリヤーと、リンガを取られちゃったインドラ。



「まったく、仕方のない人ですね……。」



このみじめな状態からインドラを救ったのは神々だった。


彼らの介入により救い出されたインドラは、犠牲を捧げた後に許される。

しかし、許されはしたが、罰は与えられた。


アハリヤーの呪いの解除と、インドラに与えられた罰。

それには、ヴィシュヌが化身したラーマチャンドラが関係してくる。



アハリヤーの呪いはラーマに蹴られた事で解けるのだが、インドラの罰はメーガナーダ後のインドラジットによって与えられる。

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