第3話 ロングorショート あなたはどっち派?

翌日 秋田県A市


みかんと店長、そしてなぜかつれてこられたネコのクールとセカイが、熊の出没が多く寄せられている山のふもとで組織の武器や装置開発とオペレーションも担当しているラボの室長 牧村と合流した。


『みかんくん、ナオト(店長)遠い所よく来たな。我々バックアップ部隊はここで待機しているから、いざとなったら駆け付けるからな。上空には生体認証ができるドローンで熊の位置を把握できるからそれを端末で共有する。あと、現場で詳しい人が秋田県庁の環境課からサポートで来てくれている、山内さんだ。』


『県庁から現場の道案内できました山内です。宜しくお願いします。』


その場にいた全員が疑問に思ってたことを店長は気を使いながら山内さんに訊ねた。


『山内さん、お伺いしたいのですが。。。。抱っこしているワンちゃんですがその子は?』


『ああ、この子はミルクといいます。今日はミルクと一緒にガイドします。』


『そのミルクちゃんはチワワですよね。熊退治ですよ。無理じゃないですか?』


『いえいえ、この子はチワワじゃなくてロングコートチワワですよ。』


『同じだろ!』『いえいえ、ちがいますよ。ロングコートの方が少し勇敢なんです。』


『普通、猟犬とか秋田犬でしょ。大丈夫ですか?』

『ナオト、今回は新ツールを使用すから大丈夫だ。』と牧村が答えた。『新ツール?』


『実は、この首輪にカメラとGPSが仕込まれてるんだ。カメラで状況を確認しているからいざという時はグーリー機能を使う。』


『なにそれ?』『グーリー機能は北米最大クマ、グリズリーが威嚇した時の鳴き声が流される仕組みだ。さすがにグリズリーの叫び声を聞けば熊も逃げるだろう。』


大丈夫かなぁと店長のナオトは不安に思った。


『もうひとつ、特殊機能が設定されているんだ。首輪にスピーカーが内蔵されており、ワンちゃんの鳴き声を即座に翻訳し、端末にテキストで表示されるんだ。』


『牧村さん、すごい!何かドラえもんみたい‼️』みかんは思わず叫んだ。


『ネコちゃん用もあるから、クールとセカイにも装着してくれ。』と牧村から首輪を手渡されたみかんは、『もうちょっと、カワイイ色だったらよかったのに。』と不満を言いつつ2匹に装着した。


店長はかなりの不安を抱きながら目的地へ歩き始めた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る