五 花を枯らす薬膳
代謝機能を向上させるものは
薬草の盛りは春にはじまり秋に
冬は新陳代謝が高まる季節である。
(秋に
薬は毒でもある。毒は薬でもある。
だから、
(汗をかくと新陳代謝が高まる。辛いもの、熱いものには発汗を
否、さらに美麗しく、さらに
(それから体内で、花にとっての
枯れない花を、散らすために。
◇
「えっと、薬膳料理のようですね……?」
「ええ、
《薬膳》ではあるが、同時に《毒膳》である。
《花語》の花を散らすための《毒》であり、女御を
そして、舌に美味きもののおおいこの
「へ、へえ……それでも《薬膳》なのですね」
「《薬膳》というか、《毒膳》です」
そして、
(
心臓は最も重要な
そこに
「……おもっていたより、なんでしょう。薬っぽくないですね」
「これは薬ではありますがね」
女御が
熱かったのか一瞬だけ
「う、嘘でしょう?
それだけではない。爪の
「すごい、奇蹟です!! 桜子様、
ふたりは
さながら、
(どうしてだろうか。女房と主君というには、なにか甘いものを感じるような)
不可思議だ。
それに、来たときの女御は、あと一年も経たぬうちに花と化すであろうほど、進行していた。ふた月も
女御ともなれば、さらに女房もいるはずだが──どうして彼女しかいないのかも、不可思議だ。
(いったい、なんなんだろうか)
奇蹟に
彼女が粥を啜るたびに、髪からほろりはらりと花が散り落ちる。
「もう、《薬膳療法》だけで良いです、と、
「えっと、
「かまいません。こんなに
いったいなんなのか、さっぱり
「──
医は、そのおもいをうけとめるのも務めだ。
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