第3話 "ツンデレヒロイン" 参上
僕は山君と一緒に購買へ行き、お茶とおにぎりを買って教室に戻る。
購買は予想以上に混んでいたためお昼休みは残り10分を切っていた。
これもマンモス校だからなのだろう。
お昼休みは残り10分も無いため、教室に入ると、もうお昼ご飯を食べている生徒はいなかった。
僕たちも早くお昼を食べて次の授業の準備をしないとな。
僕はそう思いながら自分の席に座ろうとした瞬間……。
ゴトッ。
ん?
何かが地面に落ちる音がした。
床を見ると、そこには赤色の筆箱が落ちている。どうやら左隣の席の人が次の授業の準備中に落としてしまったのだろう。
左隣の席の人はなんと、今や絶滅危惧種になりつつある金髪ツインテールロリ巨乳だ。
ちなみに今日転校してきたばかりで名前は知らない。
まあ、見た目からして気が強そうなので僕の得意なタイプではなさそうだけど……。
とりあえず筆箱を拾ってあげるか。
「あ、あのこれ……落としたよ」
僕が金髪美少女に筆箱を拾って渡すと、金髪美少女は急に大きな声を出した。
「あ、ありがとう……。でで、でも勘違いしないでよね!べべべ別にあんたに拾って貰いたくてわざと落としたんじゃないんだからね!たまたま落としちゃっただけよ!!」
……。
ツンデレ……だと……?
まさかこの子、金髪ツインテロリ巨乳の上に、ツンデレという属性も持ち合わせていたとは……。
かなりの逸材だな……。
そんな金髪美少女の圧倒的なツンデレを見た周りの男子達がざわめく。
「か、かわいい」
「だ、抱きしめたい」
「ち、ちゅーしたい」
「む、胸揉みたい」
「あ、足の匂い嗅ぎたい」
「お、お尻に顔埋めたい」
「わ、脇舐めたい」
「お、犯し……」
おっと、どうやらこのクラスは性犯罪者予備軍が大量にいるようだ。
てかこれ本人に聞こえてない?大丈夫?
すると突然、金髪美少女は立ち上がり顔を真っ赤にして大声を出した。
「あ、あんた達に可愛いとか言われても、べべ別に嬉しくなんかないんだからね!!バカ!」
金髪美少女はそう言うと、駆け足で教室を出て行った。
可愛い以外にもめちゃくちゃ言われてたけどそこはスルーなのか?
僕がそう思っていると、教室を飛び出した金髪美少女を見て男子達が一斉に呟く。
「「「「可愛い〜〜〜〜」」」」
一部始終を見ていた僕は呟く。
「騒がしい子だな。それに、凄いツンデレだったな」
つい呟いた僕の言葉に山君が反応した。
「紫電君、後で言おうと思ってたのですが、彼女こそヒロインランキング第4位、 "ツンデレヒロイン
「え?彼女もヒロインランキングに入ってるの!? 」
「そうです!ヒロイン力は7800で "黒髪清楚ヒロイン" の天童さんよりも上です!」
「まじか……」
そこでふと、僕は気づいた。
「金谷さんと天童さんがヒロインランキングに入ってるって事は……僕、両隣に最強ヒロインがいるの!?」
「そーゆー事になりますね。羨ましい限りです」
まじか……。
両隣にはヒロインランキング上位の最強ヒロイン。
僕みたいな陰キャにもついに春が……。
こねーな。
僕は身の程を弁えている。
この二人と恋愛関係になるなんてまずないだろう。
そんな事を考えていると……。
「あ、やばい!お昼休みあと5分しかない!」
「早く食べましょう!!」
いつの間にかお昼休みは残り5分となっていた。
僕と山君は急いでお昼ご飯を食べるのだった。
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