第26話 西の噂 

「碧もう出てきていいぞ」


 段ボールの中から碧が出てきくる。


「すごいこと聞いちゃいましたね」


 錬を驚かせようと碧には段ボールの中で待機してもらっていた。


「録画してたか」


 碧はスマホを確認する。


「映像は撮れませんでしたが声は聞こえます」


「十分だ」


「間違えて歌織さんを驚かせるところでした危うく消されるところでした」


「だから俺が合図を送ったほうがいいって言ったろ」


「その通りでしたね助かりました」


 ガラッ


「二人ともどうしたんだよ、あっその箱もしかして俊を驚かすためか俊には借りがあるからな必ずやり返してやる」


 体育館のまだ根に持ってるのか。ちなみに俊と明澄はサッカー部で今日は来ない。


「それは置いておくとしてさっきこんなことが起こったんですよ」


 碧はさっき録画した音を錬に聞かせる。


「なるほど大体話はわかった、で二人はどうするんだ」


「そもそも三麻?とはどんな人なんですか」


「一言でいえば変人」


「響に変人と言わせるなんてよっぽどの変人ですよ、僕は歌織さん側につきますね、でないと学校が崩壊しそうです」


 それは俺を褒めてるのかそれとも馬鹿にしてんのか。


「俺も副会長側かなそっちのほうが恩恵がでかい、錬は?」


 詳しくはよくわからんが副会長が会長なったら優遇してくれるらしいからな、こちらも何かと動きやすくなる。


「俺はどちらの弱みを握り生徒会を裏で操りたい」


「まだそんなことは言ってるんですか」


 情報屋としてこの学校を裏で操っているという設定これは錬が考えたものだ。


「俺は正直今まで忘れてた」


「ひどいぞ二人とも、活動目標に入れてたはずだろ」


「そんなことより夏休み中プールを使えるんでしたよね」


「そんなこととはなんだ」


「でも水泳部の合宿期間だろ」


「ねえ無視しないでくれる」


「そうですね、その期間はサッカー部も合宿なので俊と明澄は居ません」


「お〜い」


「うるさい、錬はどう思う」


 相手にされなくて明らかに拗ねてるな。


「別にいいんじゃね、どこかの誰かさんも俺たちに黙ってたんだしな」


「うん錬の言う通りだ、たしかにそれもそうだな三人だけでやろう」


「開き直るなよ、響のことだからな」


「西の噂についてはえっ〜とたしかにここにあったはずです」


 碧は棚から西の噂とプールについてまとめられたファイルを取り出す。













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