第22話 結果発表

「失礼します」


 テストの日から数日後、俺は生徒会室に呼び出された。


「急に呼び出して済まないね」


「それでなんの用ですか」


「会長権限で先生に無理を言って特別に先生に採点結果を見てもらったんだ、結果発表は早いほうがいいと思ってね」


 それは嬉しいがわざわざ校内放送を使わなくても、めっちゃ恥ずかしかったんだぞ。


「勇者響よ、よくぞここまで辿り着いた敵ながら褒めて遣わす」


 おぉ今日は魔王風のセリフだ俺も乗ってあげたほうがいいのかな。


「俺は連勝記録を守るために絶対に負けられないんだ。悪いが勝たせて貰うぞ貴様の野望もこれで終わりだ」


「ぶはぁっ!そこは獅王の過去問のためじゃないのかよ」


 前も思ったが会長のツボ浅いよな。


「ふん、そんなことを言える余裕が貴様にはあるのか」


「あぁあるね俺には絶対に負けられない理由がある」


 余裕もなにもテストはもう終わったから後は結果次第なんだよな。


「へっアニキこいつ舐めた口ききやがるぜやっちゃってください」


 なんで急に魔王から下っ端になったんだよ、設定がよく分からん。


「よ〜し、結果を言うぞ」


「どうぞアニキ」


「二人は同率だ」


「「へっ?」」


「だから順位が同率だ」


「この場合勝負はどうなるんですか」


「そうですアニキ」


「よ〜く聞け」


「「ゴクリ」」


「響くんは歌織と同率一位、三麻は俊と同率三位だ」


「「はっ?」」


 いや確かに両方同率だけどさ。流石に不動産が可哀想だ。


「なんでそんな」


「面白そうだからに決まってるじゃないかその顔が見たかったんだよ」


 人が悪いなこいつは。


「とりあえず俺の勝ちってことでいいんですよね、約束通り過去問は貰いますよ」


「あぁ好きなだけどうぞ」


「ありがとうございます、じゃあもう用はないので帰りますね失礼しました」


「持ってけドロボーおととい来やがれ」


 こうして俺は獅王のために生物の過去問の入手に成功した。


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