第20話 勉強法
「今日も来たっすね先輩」
「よろしく頼むよ」
昨日はもう遅いので帰ってもらった、俺も自分の勉強をしなきゃいけないしな。不動産にはいつも通りでいいと言ったが獅王の過去問が掛かってる勝負だ手を抜いて負けるわけにはいかない。
「今日から本格的に勉強を始めるぞ」
「はい」
響流速攻テスト対策講座スタート
「まずは一枚の紙とペンを用意します」
「次に教科書からテストに出そうなことを全て書き出します」
「テスト範囲全部ですか」
「もちろん」
逆になんでテスト範囲なのにやらないところがあるんだよ。
「でもそんなの時間がかかりすぎます、問題を解いたほうがいいんじゃ」
話は最後まで聞きなさいよ。
「書き出すのは単語だけでいい」
「わかりましたやってみます」
「ただし書き出す時はただ書き写すんじゃなくて内容を読んで頭に入れてから書いてね」
「はい」
獅王がこれをやっている間俺たちも各々の勉強に取り組む。
「終わりました」
「よしっそれを三つのグループに分ける」
「三つ?」
「一つは元々単語の内容を完全に言えていたもの、二つ目はさっき単語の内容を知って今言えるもの、三つ目は、単語を見たことはあるが内容が説明できないもの」
「わかった」
「その紙以外は何も見ちゃだめだからな」
獅王が黙々と作業に取り掛かる。
「終わりました、次は何をすれば」
「それで終わりだ、後は問題をひたすらに解く、そして毎晩この作業をするそれだけだ」
「それで七十点以上取れるんすか」
「それは本人の頑張り次第だ」
「なにか暗記するコツとかあったら教えて欲しいな」
「暗記なら俊の得意分野だろなんかないの」
「そんなこと言ってもすね、俺は映像で記憶してるから参考にならないっすよ」
カメラアイって奴か俺も短時間だけならできなくはない、精度が悪くて一部モザイクがかかってるみたいになるけど。
「それはどういう感じなの教えて」
「上手く言えないっすけど時間を止めて脳裏に焼き付ける感じっす頭の中に保存されてて奥から引っ張って取り出せるんすよ」
「へぇ~そんなことできるのか」
俺のとはレベルが段違いのようだな。
「流石に無制限ってわけじゃないっすよ、時間が経てば忘れるし何か抜けるところがあるっす」
「頼む響、俺みたいな凡人にもできる暗記法を教えてくれないか」
テストで赤点ギリギリの人は凡人なのかと言うところに疑問は残るけど。
「既存の知識と結び付けて考えれば」
「なるほどつまり……どういうこと?」
「例えば、細胞ってサイボーグと発音が似てるなみたいな」
「意味あるんすかそれに細胞をサイボーグって」
そこは別に何でもいいんだよ、あんまり触れるな。
「大事なのはどうやって記憶を持ってくるかってこと、俊みたいに見て憶えられますって人はいいけど、意外とこういうのが役に立ったりするんだよ」
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