第19話 先生たち
「うおっなんだお前たちかびっくりしたぞ」
「キラ先生久しぶりっす」
化学担当の鬼怒綺羅々『きどきらら』通称キラ先生、去年の俺たちの担任だった先生だ。
「やぁ響くんと俊くんどうしたんだこんなところに」
生物担当の佐内虎十郎『さないこじゅうろう』、六十過ぎのおじいちゃん先生で女子生徒からの人気が異様に高い。こういう先生って一人はいるよな。
「あっキラ先生コンタクトに変えたんすね」
キラ先生は元々顔が怖いが視力は悪く眼鏡がないと眉間にシワがよって鬼みたいな顔になってさらに恐ろしくなる。
「この前眼鏡を落として探してた時に一年生に見られて怖がらせてしまってなそれでコンタクトに変えてみたんだが似合うかな」
それを見た生徒は災難だったな。ちなみにキラ先生は普段ぐるぐるメガネをかけていた、いつもなら顔よりもメガネに目がいく。
「はいとっても似合ってるっすよ」
コンタクトに似合うとかあるのか。
「それで君たち二人はなぜこんなところにワシたちに何か用かね」
「俺たち七不思議について調査してるんです何か知りませんか」
「…さぁそんなの聞いたことないな俺は知らないぞ虎十郎さんは?」
「……いや〜ワシも存じあげませんな」
なんだ今の間は怪しい。
「そうっすか、じゃあ化学室辺りから音が聞こえるらしいっすけど何か心当たりはあるっすか」
「どうだろうな、今度から注意しておくからほらテストが近いだろ二人はもう帰って勉強したほうがいいんじゃないか」
明らかに動揺した様子で答える。
「はいもう帰るっすさようならっす〜」
「さようなら」
「おう気を付けて帰るんだぞ」
「はい、さようなら」
「なぁ俊どう思う明らかに何か隠してるぞ」
長年この学校に勤務してるのに七不思議について知らないとかそんなことあるのか。
「同意見っす、それに鍵のことは何も聞けなかった」
それもあったなすっかり頭から抜けていた。そういえば何か忘れてる気が
「先輩戻ったすよ、待たせて済まなかったすね」
あぁ獅王のこと忘れてたわ。
「やっと帰ってきた遅いよ、連絡もしたのになんで反応しなかったんだよ、俺を置いて帰ったのかと思った」
「えっ本当っすか、俺ほとんどの人の既読の通知切ってるんすようるさいから」
「ひどい一応俺部活の先輩だよ、キャプテンなんだよ」
この人キャプテンだったのか。そもそも大学から推薦が来るほどの実力を持ってるのが驚きなんだよな。
「それで過去問はどうだった」
「五十点です」
「本当は?」
「四十六点です」
サバを読むなよ、今点数を誤魔化してもいいことないだろ。
「俊評定四には大体何点取れればいい? 俺は去年オール五だったからよく分からん」
「自慢っすか良いっすよね二位は」
「ごめんってそれで何点だ」
「七十五…いやギリギリで七十っすね」
七十かそれならなんとかなるか。
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