第10話 球技大会の噂 解決

 球技大会大会を終えた俺たち調査部の五人と副会長が体育館に残った。


「それでどういうことだよ」


「今から言うことはあくまでもこれは俺の推測だからな」


「そういう前置きはいいから〜早く教えてくれる〜」


「たぶん昔に今日みたいなことが起こったんだろう」


「今日みたいなことって錬が跳び箱が消えたと勘違いしたことすか」


「副会長、噂の内容を覚えてるか」


「えぇもちろん、球技大会が終った後片付けをしていた女子生徒が体育館倉庫にある跳び箱がいくつかなくなっていることに気付いたそして次に学校に来て確認いたときには元に戻っていた」


「そうつまり、球技大会が終わり片付けをしていた女子生徒が一番上の段だけなくなっていることに気づいたんだ」


「それがどう噂になるんですか」


「そうすると場所を誰かに聞くだろ、もしかしたらさっきの錬みたいに大声で」


「それはそうかもね〜」


「それを周りにいた人たちが聞いて噂が広まったんだ」


「でもそれだけで何年も語り継がれるのかしら」


「それは二つ理由がある、確かになくなった跳び箱が一段目だけならそこまで気にしないだろうでも跳び箱の場所を聞く時、こう言ったらどうなる"跳び箱が消えてる"とまるで跳び箱そのものがなくなったように聞こえる」


「確かに俺はこの噂を聞いた時、跳び箱全部が消えたと思ったっす」


「だろ、俺もそう思っていたそれで二つ目はもしこれと同じような現象が数年おきに起きたとしたら」


「また同じような噂が流れるわねさらに元々あった噂を知っているのなら同じことが起こるのだから信憑性が増すわね」


「そういうことだ」


「まぁ〜話は通じてるわね〜」


「いくつか質問いいかしら」


「もちろんどうぞ」


「噂では跳び箱は複数個消えるらしいのだけどこれはどういうことかしら」


「跳び箱の消えた段が一段とは限らない、人によって何段外すかは違うだろその消えた年ごとに数は違ってくるはず」


「じゃあ二つ目、次の日見たら元に戻っているというのは女子生徒からしたら跳び箱の場所を聞いたのだから元に戻っているのは分かっているはずでは」


 それはもう自分で答えを言っているようなものだろ。


「それはあくまでも女子生徒からしたらの話だろ、噂を聞いた生徒が後日見に来たら元に戻っていることを知らなかったのは当たり前だよな」


「三つ目、そもそもなんでこの現象は起こるのかしら」


「それは俺も気になるっす」


「それはさっき言っただろ、他の跳び箱の影になって一段目が置いてあることが見えなかったんだよ」


「そういうことじゃないわよ〜」


「なんで球技大会の準備をした日から片付けをする日まで誰も気づかないかってことっすよ」


「あぁそういうことね、そもそも倉庫にはほとんどの人が入らないから見られることが少ないからな」


「でもバスケ部は練習をしてたからボールとかを出すために倉庫に入ってるはずっすよ」


「跳び箱は体育の授業でやらないから倉庫の奥のほうに置いてある、それに比べてバスケ部は毎日のように部活があるから倉庫の手前側に用具を置いてあって奥のほうはあまり見ないだろ」


「でも扉の場所からでも跳び箱は見えますよ」


「今は電気が着いた状態だからな、バスケ部は手前しか使わないから倉庫の中の電気を着けなくても体育館からの光で充分だ、逆に暗闇の中で気づくほうがおかしいくらいだ」


これが球技大会の噂の正体だと俺は思う。

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