第9話 当日
「みんなお待たせ」
球技大会本番俺たちは他の生徒より一足早く学校に来た。
「遅いっすよ錬最後の一人っすよ」
「まぁ遅れたの少しだけだし許してやれよ」
錬の家から学校まで二、三時間かかるからむしろめちゃくちゃ早い方だ
俺なんか自転車で十分くらいだ。
「そうですね、それより体育館に行きましょう」
俺たちは教室に荷物を置き体育館へと向かう。
「ちょくちょく人がいるな」
廊下で数人の生徒とすれ違う。
「大半の生徒は生徒会もしくはバドミントン部とドッジボール部っすね他は噂を観に来たか単にいつも来るのが早い人っすね」
「体育館に着きましたね」
でも鍵が掛かっているようで体育館の前で待機している生徒がいる。
「どうやらまだ開いてないようですね」
「え〜早く来た意味がないじゃない〜」
体育館の前にいる人たちどこかで見たことあるな。
「俊あそこにいる人たちが誰か知ってる?」
困った時にはとりあえず俊に聞くよな。
「あれは新聞部ですね、響も部活動協定を結ぶ時に会ったことあるはずっす」
そうだ思い出した、そういえばそんな顔だった気がする。
「ということは新聞部も噂について追っているのでしょうか」
「そうっすね、新聞の記事に書くって言ってたっす」
「あらあなたたちもう来ていたの早いわね」
「あっ響の彼女だ」
「別に彼女じゃねえよ」
副会長も黙ってないでなんか言えよ、新聞部に変な噂立てられるだろ。
「副会長はなんでここにいるんすか?」
「体育館の鍵を開けに来たよ邪魔だからどいてもらえるかしら」
ガチャ
鍵を開き扉を開け中に入る。
「俺が一番に見る」
「あっ僕も行きます待ってください」
そういい錬が副会長から倉庫の鍵を奪い、倉庫の方へ走って行った、碧は足が遅くて全然着いて行けてないな。
「調査部は元気があっていいわね」
やばい副会長が怒ってる、どうにか話題を逸らさないと。
「鍵はいつ掛けたんすか」
おっ!ナイスだ俊
「昨日バスケ部が使い終わってからね」
「それから誰も入ってないのか」
「私が知る限りではないわね、私が帰ったあと入った人がいる可能性があるから誰も入っていないと言える確証はないわ」
「お~いみんな!跳び箱が一つなくなっているぞ〜」
「本当か?今行く」
「俺も行くっす、またっすね歌織」
「まって〜シューちゃん早いよ〜」
さすがサッカー部だな足が速い俺を追い越してもう向こうに着きそうだ、というか副会長かおりって名前だったのか知らなかった。
「ほら見てください、一番奥の一段目がなくなっています。」
俺はてっきり跳び箱ごとなくなると思ってたけど、一段目だけなんて。
「あぁそれはたぶん跳び箱の後ろにあるっすよ」
それを聞いた錬が急いで跳び箱の裏を確認しに行く。
「あっあったぞ」
「消えた訳じゃなかったんですね」
「シューちゃんさすが〜よくわかったね〜」
「準備のときウィッフルボールを取ったあと戻さないでそのままにしてたっす、影になってここからだと見えなかったんすね」
「なんだそんなことかよ」
「それじゃあこの噂とはいったいなんなのでしょうか?」
「そうかわかったぞこの噂の正体が」
「本当か、早く言え」
「あなたたちそれは体育館を貸してあげるから球技大会大会が終わってからにしなさい、どうせ話が長くなるのでしょう、あなたたちの勝手な都合を全校生徒に押し付けないでくれるかしら」
「そうだなとりあえず球技大会を楽しもう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます