第5話 体育館倉庫
「どうだ師匠、数合ってるか」
「はい、ちゃんと揃ってます」
あれから数日後、副会長から鍵とリストを渡された俺たちは倉庫の確認をしている。
「おい響、お前もぼ〜としてないで手伝え」
錬は碧のことを師匠と呼んでいる、パソコンを昔教えてもらっていた。
余談だが俺たち三人は一年生のころパソコン部に所属していた。
「俺は跳び箱を調べてたんだよ、そっちは二人でやってくれ」
思わず引き受けてしまったが他の道具まで確認しろとか明らかに雑用を押し付けられたよな。
「ごちゃごちゃ言ってないで手伝えよほら響にもリストやるからこれお願いな」
錬が今持っている七まいのうち三まいリストを渡された。
「おい錬俺のほうが多いんだけど」
「なに言ってるだ響、俺は四まいだけど」
「碧と一緒にやってるから二まいずつだろ」
「部長なんだから少しくらいねぇ」
よしわかったこっちにも考えがある。
「スマホで何やってるんだよ」
「いま親から連絡が来てな少し待ってくれ」
「そんなの後でも良いだろ、それより早く終わらせるぞ」
「いい加減しつこいぞ、碧お前もなんか言ってやれよ」
「無駄だよ、師匠も少ないほうがいいに決まってる…って師匠どこに行ったんだ」
本当だ、後ろを振り向くと誰も居ない俺と錬が話してる間に碧がどこかに行ってしまった。
「師匠……もしかして消えたんじゃ」
「南無阿弥陀仏」
「すみません勝手に殺さないでください!」
「あっ出てきた」
「跳び箱の裏に隠れて何やってたんだよ」
「二人のことを驚かそうとしただけです」
「師匠はちっこいから全然分からなかった」
「僕はちっこくありません、毎日お風呂あがりに牛乳も飲んでます」
めちゃくちゃ身長気にしてるじゃん。
「すみません、ちょっと僕トイレに行ってきますね」
「あっ師匠俺も行く、響は一人でやっててね」
「あれ? 扉が開きません」
「何言ってるんだ開かないわけないだろ師匠、またふざけてるのか」
「じゃあ試してみてくださいよ」
「本当だ開かない」
「立て付けが悪くなってるんじゃないもっと力入れてみろよ錬」
「でも入る時はスムーズだったぞ」
「あれっもしかして非力だからビビってるのか」
「そんなわけないだろ、見てろよせ〜の!」
錬は全身に力を込めて思いっきり扉を引いた
「イッ〜〜!!」
ものすごい勢いで扉が開き錬の頭に突撃した、錬は声にならない声で悶え死んでいる。
「響こんな感じでよかったすか」
「うん、バッチリ」
ちょっとやりすぎた気がするがまぁ良いだろう力を入れ過ぎた錬が悪い。
「すみませんどういうことですか?」
「さっきスマホで俊に頼んで扉を押さえててもらった」
「そうっすよ、でも扉が開閉式だとは思ってなかったっすてっきりスライド式だとは」
しかもこれ内側に開くタイプだからな、意味がわからん。
「そうなんですかそれであの時、それにしてもこの短時間でよくここまで間に合いましたね」
「だってこんな面白そうなこと急がないわけないっす」
「そ〜よ〜シューちゃんはとっても足が速いんだから〜」
「俊さっきの録画してやったぞ」
「マジっすか動画送ってくれっす」
こういう奴なんだよ俊は
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