第4話 球技大会の噂
「どの部活も問題ないようね」
俺たちは四つの部活の見回りを終えた。
「意外と時間掛かっちゃったな」
「えぇそうねあなたが途中に生徒に話かけるんですもの、それにしても噂は広まるのが早いわね」
「そうだな、一年生にも何人か知っている人はいたし」
見回り中俺は暇そうな生徒に球技大会の噂について聞いていた。
でも特に有力な情報は無かったな。
「縦のつながりが強いものねこの学校は」
それに部活動協定があるから部活同士の繋がりも強い噂が広まるなんてすぐだ。
「放課後だというのに騒がしいよな」
どこに行っても人が居て会話がある。
「それだけ部活動に打ち込んでいる生徒が多いのよ、私はこの時間、好きよ」
「この後時間あるか? どうせなら調査部の部室に行って話さない、噂について詳しく知りたいし」
「…いえ、私にはまだ生徒会の仕事があるから長話をするつもりはないわ」
錬と碧にも聞いてほしかったが残念
「そうかじゃあ早く教えてくれ」
「底花高校七不思議の一つ"消える跳び箱"球技大会が終った後、片付けをしていたある女子生徒が体育館倉庫にある跳び箱がいくつかなくなっていることに気付いたという、そして次に学校に来て確認いたときには元に戻っていた、私が知っていることといえばこのくらいね」
「そうか、ありがとう」
他の生徒と概ね同じ内容か、生徒会の人間なら何か知っていると思ったが当てが外れた。
「今日手伝ってくれたお礼に後日、倉庫の鍵と中の道具がリストアップされてるファイルを貸してあげるわ、消えるのが跳び箱だけとは限らないわ他の用具の数も確認しなさい」
「本当か、ありがとう」
これは大きいな、倉庫には体育教師と体育館で部活をしている生徒しか入れない、それに元々の跳び箱の数を確認しとかないと無くなったかどうか分からないもんな。
「期待してるわ頑張って」
副会長は俺の肩に手を当てそういい生徒会室へ向かう、俺もそろそろ調査部に戻らないとな。
「おい錬、碧とも戻ったぞ」
「おかえり」
「何か進展はあったか?」
「すみません、特に何も」
それもそうか、ここにあるのは大抵俊から聞いたことだ、俊が分からないとなると大したことは書いてないはず。
「そういえば、俊と明澄はまだか」
「まだだな」
まぁ運動部は沢山あるし俊は知り合いが多いから話も長くなるんだろう。
「みんな待たせたっす」
「ただいま~」
おっ噂をすれば帰ってきた。
「おかえり、どうだなんか分かったか」
「はいっす、色々と聞いてきたっすよ一年生の子たちとも仲良くなったっす」
さすが俊だな、こいつのコミュ力少しは分けて欲しい。
「そうよ〜シューちゃんはすごいのよ〜」
なんでお前が得意気なんだよ
キーンコーンカーンコーン
「もうこんな時間かもう遅いし帰るか」
俺たち五人は帰路につくのであった。
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