第2話 読者が求める物を考えてプロットに落とし込む

 前回の話の中で読者が求める物を提供するのが、継続読者を手にするコツだと言う話をさせて頂きました。


 では、どの様にしてその"読者が求める物"を見つけたのかと言いますと、今流行っている作品を次々分析していきました。


 皆さんにはそんな苦労をして頂きたくないので一言にまとめますが、読者が求めているのは"手軽な爽快感"です。


 仲でも重要な部分は、"手軽な"と言う箇所です。


 重厚な設定、複雑な伏線からの爽快感――という物は当然素晴らしい物で有るのですが、それは少なくともカクヨムを始めとしたWeb小説では受け入れられ辛い物で有ります。


 そしてその原因を推測するには、読者の方がどのような環境で読むのかを想像するのが手っ取り早いです。


 腰を据えてパソコンの前に座ってちゃんと読む――そういう方もいらっしゃるかとは思いますが、大多数は昼休憩や通学、出社や退社の隙間時間に読まれている方が大多数なわけです。


 朝、仕事や学校に行くのが辛いと考えている状況で、重厚な文章を読みたい――そんな風に考える方が果たしてどれ位おられるでしょうか?


 0とは言いませんが、決して多くないだろう事は、現在ランキング入りしている作品群を見て見れば明確かと思います。


 もちろん、それでもなお重厚な物語を作りたいんだ! という方を止める権利は誰にもありません。


 幼少の頃から辞書の様に分厚い書籍を読んでいた私は、大好物です。


 ただ、Web小説でランキングを伸ばしたい! もっと自分の作品をいろんな人の目に入れたい! と考えるのであれば、軽快な文章――風景描写より"会話文"を重視した文にした方が読まれやすくなるのは間違いありません。


 加えて手軽な爽快感を読者に感じてもらうためにも、その日投稿した"1話"の中で読者の方に満足感を持ってもらう事は非常に重要となってきます。


 特に重要なのは、"1話"の中でと言う部分になってきます。


 皆さんも経験あるかと思いますが、第1話は読まれているのに、第2話になるとガクッと読者が減少する事があります。


 これは、読者が第1話の中で爽快感や期待感を十分に感じられないから、もしくはあらすじとは違う内容が書かれていたからが原因の大部分であるかと思います。


 故に、もしテンプレ以外(自分の書きたい作風)でランキングを上りたいのであれば、第1話で何が何でも読者に爽快感を感じさせる必要が有る訳です。


 実際に私の作品では、主人公死亡→転生→スキル取得を非常に短い文章で第1話の中で記載しています。


 当然そんな事をやっているので、死亡するまでの主人公の苦痛や恐怖、転生における戸惑い、スキル取得した事に対する驚愕――そう言った本来あるべき物は極力省いています。


 理由は単純で、読者の方は想像力があるので保管してくれると言うのと、正直そんな事よりも読者は早く成長してスカッとする展開を読みたい(と考えた)からなんです。


 幸いこの予想は当たり、2025年5月14日現在の第1話が24,522PV、第2話が22,155PVと読者継続率が90%を超えています。


参考元:「元・天才ピッチャー、転生後は俺だけ表示されるスキルとステータスで野球無双」(https://kakuyomu.jp/works/16818622172354386094)


 とはいえ、一言補足させて頂くとテンプレに限ってはこの内容に即さなくても問題は無いかと思います。


 具体的に言うならば、パーティ追放物などのファンタジー小説は、主人公が酷い目にあってパーティを追放されたとしても、読者は2話以後で必ず逆転する展開が来ると分かっているから、第1話で無理に逆転しなくても読み進めてくれます。


 では、テンプレから外れた作品の場合は?


 当然、読者はこの後ストレス展開が続くのか、それとも一気に爽快感がある展開になるかが分からず、結果的に離れていくわけです。


 故にテンプレ作品は離脱率が低い上に、安定して読まれるわけです。


 読者の方々の大多数はスッキリを求めているのにストレス展開だったり、もっとヒロインとの展開を進めて欲しいのに、バトル展開を行ったり――そう言ったニーズとのズレが少なくない読者の減少につながってくるので、まずは自分の作品、プロットを読み直してみて、各話数毎に爽快感があるか、そしてそれは本当に読者の方が求めているのかを確認してみてください。


 そして、1話ごとに読者のニーズにズレが無い、もしくは1話ごとに読者にメリットを与えられる作品(ステータス向上や、ヒロインとの仲の進展、今後想像されるざまぁ展開などの期待感)が書ければ、テンプレ以外の作品(【あなたが書きたい作品】)を書いたとしても読者には受け入れてもらえると私は考えています。(ただ、テンプレ作品よりも伸びは圧倒的に遅いですが)


 次話以後では、プロット以外の部分で私が工夫した点や、どんな順位の伸び方(PVやブクマの伸び方)をしたかなども書いていこうと思います。


 ※必要であれば、どんな経緯で本作を書き始め、プロットを作ったかなども記載しますが、あくまで私流になるので参考になるかは分かりません。


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【あとがき】


 本作が創作論にて63位にランキングさせて頂きました。

 本当にありがとうございます。


 PVの伸び悩みなどで辛い思いをされている方の少しでも役に立てればと考えておりますので、私自身まだまだ勉強中の身ですが、今後とも一緒に頑張っていけたらと思います。


 創作の仕方などで質問したいことなどありましたら、あくまで私流でよければ回答しようと思いますので、ご質問頂ければコメント欄か本文、あとがきで返信しようと思いますのでご自由にお寄せください。


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