第4話 帰路

放課後になると早速吉良さんに告白しに行った人がいたらしい。しかし全滅、十人は行ったそうだ。

勇者達よ、お前等はよくやったよ…

荷物を準備して帰ろうとした時服の袖を握られ振り返った。

目の前にあったのは顔を赤くして袖をつまんでいる多栗さんだった。

「恋人なんやから一緒に帰るんじゃないんか?…」

あっ可愛いは…

「勿論!逆に一緒に帰って良いの?」

多栗さんは黙って頷いた。


雑談をしながら帰路に着くと唐突に聞かれた。

「いつまで名字呼びなん…、付き合ってるのになんか他人事っちゅうか…」

たっ確かに…

「じゃあ名前で呼ぶよ」

「ほな呼んでみぃ」

「玉」

呼んだ瞬間玉ちゃんは顔を真っ赤にして、俯いてしまった。

「玉?どうしたの?」

「見るな!ボケ!」

んな理不尽なw

でもまだ俺は名前で呼ばれていないのは不公平だ!

「じゃあ玉も俺の事呼び捨てにしてよ。」

「えっ!」

「なんで良くないよ呼んでよ!」

「それはちゃうやん...」

「玉だけ名字呼びしないとか許さないからね!」

「わかったわかった、ちょいとまちんしゃい。心の準備ってやつが...」

「は〜やく」

「わかった。よしっ」

一瞬沈黙になり俺の目を見ながら

「凪...」

声が発せられた瞬間頭の中で電流が走った

ああ、やっぱ俺はこうしてるんだな。


「おい凪!」

「うわっびっくりした!」

「何回声掛けても返事しないからびっくりしたで、やっぱり名前呼びはやめとくか?」

「いや!大丈夫だよ!。なんなら嬉しくて思考停止してたんだから」

「そう言ってくれるとほんま嬉しいなw」

そう言いながらニッコニコな玉は可愛かった。


実は玉とは家がめっちゃ近かった。

歩いて5分もかからない距離で朝一緒に行こうと言う話になった。


別れ際に

「凪。ほんま好きやで、今日初めて会って話したけど、好きな所しか見つからへん...これからもよろしくな!ほなまた明日!」


そんな事言われたら泣きそうになってしまった。

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