潮時の花芽
ずっとなり続けている、あのバスの音。ぴぴ、ぴぴ、といつ止まるんだろうか。私はとても寒い。花が隣で咲いている。白い、白いバラみたいなのだ。どうして世界は私を裏切るように、借りた言葉ばかりでこの体を慰めようとするんだろう。誰かに抱きしめて欲しいと言えば軽い女だと言われ、誰の温かさも要らないと言えば悲しい人だとのたまう。誰が一体、私のことを踏みつける権利があるというのか。時計は止まってしまったように、私だけが鬱々とした心のまま街の中心のマンションの中で布団の中に入っているのに、どうして寒くて震える指先であなたのことを探してしまうの。花は増えすぎれば、内側から枯れていく。私は咲きすぎたの?それとも始めから枯れる苗だったのかな?ねえ、モッコウバラ。
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