18話目
二週間後、ペアリングが完成したという旨の電話があった。
優はようやくか!とテンションが上がった。
今日は幸運な事に、お互い早番だ。仕事終わりにディナーに誘って、ペアリングを渡すと共に、プロポーズをしようという算段だった。
既に藤崎との予定は取れたので、後は勇気を出してプロポーズ出来るかだ。
仕事は順調に終えて、着替えを済ませて、優と藤崎は予約していたイタリアンのお店に着いた。決められた席に着き、コース料理を注文する。
彼女はここ最近珍しく機嫌が良かった。滅多に来ないお店に来たからだろうか。しかし、顔は今でも憔悴しきったような気もする。
藤崎を元気にしたい。そう思い、優は鞄から二つの小さな箱を取り出した。そう、ペアリングである。
箱を開けて指輪を見せ、優は言った。
『結婚して下さい』
突然のプロポーズに驚いた藤崎であったが、やがてペアリングを取り出し、薬指にはめると、満足そうな笑みを浮かべた。
『はい、お願いします』
やった!遂にプロポーズが成功した!優は喜びを隠せなく、上機嫌に振る舞った。
それから料理を食べながら、今後はいつ同棲しようかとか、結婚したら仕事はどうしようか等、二人は幸せそうにしていた。
その勢いのまま、ラブホテルに向かい、久々にセックスをした。幸せな気持ちもあり、いつもより多く求め合った。
行為を終え、ラブホテルを出て解散する。
『優くん、今日は本当にありがとう』
藤崎は満面の笑顔を浮かべて帰っていった。
さてこれからが忙しくなるぞ!優は自分を鼓舞して帰路へと向かう。
幸せな日常が待っているのだ。彼は幸せで胸がいっぱいだった。
そして、
それ以来、藤崎と会う事は二度となかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます