第3話 進展という進展
「五月六日
今日は珍しくお外に行った。久しぶりの生の太陽はとても眩しかったがとても良いものだった。たまには外に行くべきかも。」
5月7日
学校
「何か分かった?」僕は言った。
「う~ん、何も分からなかった!!」元気な声で言われた。
「そ、そうか…」残念そうに応答した。
「だけど少し分かったことがある」
「なに?」
「毎日、僕たちのいる前の日の日付が更新されているということだ!」
「いや、あの…最初から分かってた」そう呆れたように言った。
「気づいていたのか…」
「ああもちろん」
「なあ、一つ気になることがあるんだが。」
「なに?」
「お前、5月4日に日記を燃やしたって言っただろう?」
「うん」
「日記の五月四日には『悪夢を見た』と書かれていた。つまり、リンクしているんじゃないか?」
「その線は考えたけどその考えは直ぐに捨てたんだよ。そんなことは起こるわけないからね。」
「そもそも、日記が部屋に突然あった。そして燃やしたけど同じ日記があった。それも普通に起こるわけないんじゃないか?」
「うぐ」
「今日、俺から言えるのは進展が無いということだ。それ以上でもそれ以下でもない!」
「まあ、ありがとう。助かったよ。あと、リンクの件だけど今日帰って検証してみることにするよ。」
退屈な授業を終え家に帰宅した。
「母さん、ただいま」
「おかえり」
自室に戻りリンクの件を検証してみることにした。
「どうしたものか…」そう小さな声で発した。
正直何をすればいいか分からないからだ。燃やすのはもうした。そういえば何故か家にシュレッダーがあったな。そうだ、シュレッダーにかけよう。日記をシュレッダーにかけた。粉々である。これで戻ってこないのが一番だがそんな気はしないんだよな。明日、日記はどうなるんだろう?
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