雨-01


××月××日(雨)


今日も外は雨。

ボサボサの髪のまま、先程まで浸っていた夢を反芻する。


大好きな人達と過ごした時のことを、

孤独になってしまった時のことを。



死にたくなるほど苦痛な日々を送っていたあの頃、それでも生きていこうと思えたのは私を愛してくれる人達がいたからだった。



私の中の雨はいつかは必ず止むものだと信じていた。今だけ、今だけだと。


だから、愛してくれる人たちのために、私が愛する人たちといるために、憎悪も苦痛も押し殺して強く生きていこうと、



そう決めていたんだ。



寝覚めも悪い中のそのそと寝具から降り手を合わせ身支度をする。



映画のエンドロールを見ずに、ただひたすら本編をループ再生するしているように、過去を終わらせまいと何度も何度も何度も反芻する。

味の無いガムを捨てれずにいる僕は、そこにまるで未来や希望があるかのように縋る。



気圧で重くなった扉を勢いよく開け家を飛び出す。空は雲もなく心地のいい晴天だ。

傘は、きっと要らないだろう。


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