第14話
○○とはクラスも違うことが多かったけど、
話すようになったのは二年から。
思ってたよりずっと気さくだし、テンポも合うし、すぐ仲良くなった。
でも、一緒にいて思った。
あの子って、元気キャラやってるだけ。
本当はぜんぜん違う。
目の奥、何回も死んでた。
周りには見せないけど、私は気づいてた。
×××と喋ってるときの○○は、
一番“素”に近い表情してたと思う。
それでも安心しきってたわけじゃない。
いつも少しだけ、怖がってるような顔してた。
文化祭のとき、教室に戻った○○の顔、忘れられない。
元カノと×××が並んで座ってるのを見たときの顔。
真顔でも泣いてるみたいな目をしてた。
あのとき何も言えなかった。
でも、あの飴を舐めてたときの顔を見て、
私、本気で「もうやめな」って言いかけた。
でも、言えなかった。
○○は、それでも×××を目で追ってたから。
×××のことが好きだったのかどうか、今もよくわからない。
でも、×××と話してるときだけ、
自分がちゃんと人間でいられる気がしてた。
たぶん、そういう存在だった。
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