第12話

○○のこと、好きだったよ。友達として。

明るくて、ノリよくて、ちょっと雑だけど面白くて。

でも、あの子、たまに目の奥がものすごく静かになる時があった。


×××と喋ってるときの○○は、

なんかちょっと素を出してるように見えた。

ふたりで言い合いしてるときも、なんだかんだで楽しそうだったし。


でも文化祭のとき、×××と私が話してた時の○○の顔、

あれはちょっと、痛かった。


私、別に×××のこと好きとかじゃなかった。

他に好きな人いたし、そういう目で見てなかった。

でも○○が、私とたいがが喋ってるだけで苦しそうな顔してたの、気づいてた。


あのチュッパチャップスのときもそう。

×××がふざけて舐めたの、私はあんまり気にしてなかった。

でも○○は、顔が引きつってた。


飴を渡した時、○○の表情、すごく複雑だった。

今でもちょっと忘れられない。

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