朝鮮篇 第4話 遥かに輝く戦士
「すごい…ほとんどエネルギー無いのに…」
「でも今、何でもできる気がする!」
「行くぞ!」
私たちの動きは驚くほどシンクロしていた。四人分の役割なのに、不思議と調和が取れている。
拳を繰り出すと、雷のように彼の頬を打った。
「ぐはっ…」
「初めてだ…この戦いで初めて、有効打を与えられた」
「面白い…素材として使えそうだ」
「まだ素材とか言ってるの!」金城は珍しく気迫を見せた。
「この戦いは、もう魔法少女とは関係ない」
「これは純粋に、俺と奴、人間と悪魔の戦いだ」
手刀を放てば、それに返されるのは蹴り。
戦いの中、互いに一進一退を繰り返し、戦闘の激しさは増すばかり。
ついに、人の肉眼では追えない速度にまでなった。
「みんな…頑張れ!」
四人とも実際にはエネルギーが尽きかけていた。速度でも次第に劣勢になり、胸に何発も打たれていた。
「だが…戦いの中で、私たちはある慣れ親しんだ場所に来ていた」
「ここは…学校?」
数キロ上空から見下ろしても、極めて小さく、ほとんど見えないほどだが…間違いない。
あれは私たちの学校だ。絶対に間違いない。
しかし、ほんの数マイクロ秒の気の緩みが、私たちを地面に叩きつける結果となった。
「さっきのは…」荒木が心配そうに聞く。
「ああ。私たちの学校だ」
「だが…この一撃で、防災シェルターの屋根さえ持ちこたえられなかった。ゴロゴロという音とともに崩れ落ちた。幸い人的被害はないようだ」
「わあ!あれは!」
「ニュースで見た黒い巨人だ!」
「でも…何か違うみたい…」
「まぶしい…太陽のようだ」
「ダメ…ここで倒れるわけにはいかない」
敵も優雅に校庭に降り立った。空を覆い、太陽も月も光を失い、まるで魔神の降臨のようだった。
私たちはなんとか立ち上がり、決意を込めた一撃を放った。
全身の光のエネルギーを集めたこの一撃で、敵はよろめきながら数歩後退し、その後ドサリと倒れた。
倒れるとき、近くの校舎も押し潰してしまった。
「くそ…」
「もう校舎とか気にするなよ!こんな時だぞ!」
「校舎じゃない…」
彼はよろよろと立ち上がり、両手で格闘の構えを取った。私たち同様、彼もほとんど力を残していない。
「もっと鍛えた方がいいんじゃない?」
「荒木、なぜ挑発するの!」
彼は拳を振りかざし、私たちの拳と激突した。迸る拳風で、周囲の校舎が揺れた。
「くそ…なぜ倒せないんだ?」
「負けるな!」
「善子だろ!生きて帰ってこい!」
「死ぬなよ!聞いてるか!まだカラオケ行く約束だっただろう!」
なぜか、善子の正体は簡単にバレてしまった。
「有名すぎるのが悪いのか…それともこの光がまぶしすぎるのか」
「だが…私たち唯物主義だろ?応援なんて無駄だ…でも、ありがとう」
「だが…この応援は無駄じゃない」
「エンプ?今までどこにいたの?」
「探してたんだよ!戦いながら大気圏まで行っちゃってさ。追いつけなかった!」
「悪いね」
「それで、その光なんだけど…」
「八尺鏡計画って覚えてる?」
「ああ。魂リンクだろ」私は答えた。
「…それ何?」金城が聞いた。
「後で説明するよ…とにかくこの技術で、彼らは体内の魔力を同じ計画に参加してる人に転送できる能力を手に入れたんだ。普通は全員が一般人ならね」
「これで、ドツボにはまっちゃったね!」
「ありえない…俺の技術だ、よくわかってるはずだ」
悔しさのあまり、彼はすべてを一発の攻撃に注ぎ込むことを決意した。
「もういい!素材もいらない!データは十分集めた、終わりにしよう!」
彼は両手を高く掲げ、胸の前で集め、全身全霊のエネルギーを波動として放ち、私たちを襲った。
「隕石や異星文明が来ても、これで倒せるはずだったんだ!お前たちに勝ち目なんてない」
私たちはゆっくりと人々の光を受け止めた。無数の光が星のように集まり、支えとなり、導きとなり、前進する力全てを与えてくれた。
「そうだ…なんで俺は戦ってるんだ?」
「最初はエンプの期待に応えるためだったけど、だんだん…善子や、すべての最前線で戦う人々、警察官、消防士、自衛隊員たちと同じように」
「愛するもの、愛する国、愛する星を守るため。ただそれだけ」
「簡単な話だ、大げさな理由はいらない。でも、これで十分なんだ」
「守る力は、侵略する力に必ず勝つ。少なくとも俺はそう信じたい」
「偶然にも、私たち双方が使っているのは魔力だ。そして魔力は本質的に心の力なんだ」
「つまり、希望があり続け、意志があり続ける限り、俺が負けるはずがない!」
「観念と物質、ここに統一される!」
私たちは胸の前で手を組み、手の甲を外に向け、左拳を引き、十字架を描くように前方にかざした。
「ベツレヘムの星!」
「どんな明るい星も、人間性の光には敵わない」
「イエスの名のもとに、神の名のもとに…キリスト教は信じてないけど、神の助けは必要だ」
「むしろ、神は人の中にいる。神は人間そのものなんだ」
「私たちが神を探す必要はない。私たちが神なんだ」
光の衝突の中で、余波が無数の風浪を巻き起こした。普段は堅固で頑丈なビルや鉄筋コンクリートでさえ、この時ばかりはかくも脆く儚いものに思えた。
「幸い物理法則のおかげで、地下室までは影響が及ばなかったようだ。ただし…」
コンクリートの舗装は砂のように剥がれ、地下の鋼鉄の要塞が露出した。
「大地の上には、私たち以外には果てしない鋼鉄しか残っていない」
「恐ろしい…あまりに恐ろしい」
それらのコンクリートは跡形もなく消え去り、まるで原子レベルで分解されたかのようだった。
私たちは膠着状態になり、なかなか勝負がつかない。むしろ…私たちが押され始めていた。
「ダメ…後退できない」
「私たちは立ち続けなければ」
「立ち上がって戦い続けなければ」
「さもなければ…」
四人の思いが混ざり合い、一つの声となり、一つの力となり、一筋の光となった。
光が突然強まり、悪魔の胸を貫いた。太陽のような高温で、焦げ臭い匂いが立ち込めた。
「ああ…」
「そ…あなたたちの勝ちだ」
「見届けたよ…最強の生物の誕生を」
そう言うと、彼は地面に倒れ、動かなくなった。
「彼…死んだのか?」
「善子みたいに、突然起き上がったりしないよね?」
「安心して」エンプが現れて言った。
「遺体は適切に保存する。研究のために解剖し、あの技術の再現を試みる。魔力のない屍なら切り開けるから」
「つまり」
「おめでとう。勝利だ」
「ついに…勝った」
私は次の言葉も言えず、まっすぐに倒れこんだ。
他の三人も同じだった。巨人全体が虚ろな影と化し、虚空の中に消えていった。
地面に近づいたところで、エンプが緊急に受け止めてくれた。
この光景を見ていた人々は、最初は安堵に包まれた。「ようやく終わった」。戦争が終わった時のように、湧き上がるのは興奮ではなく疲労感だった。
だがその後、興奮の時間が訪れた。
人々は奔走して知らせ合い、熱烈に抱き合い、中にはその場でキスする人もいた。この時点では、もはや敵味方の区別はない。
人類は空前の団結を実現した。
「ようやく終わった。この戦争が」
歡声と笑い声の中、彼は私たちを連れて、静かに現場を後にした。
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