朝鮮篇 第2話 決して絆を諦めない
(洞窟内で激戦が繰り広げられる)
「ちくしょう、こんな偶然あるかよ!?」
「この技は最近覚えたんだ」
「お前のデータベースには、まだ入ってないだろ?」
「…どうしてデータベースがあるってわかった」
「あるに決まってるだろ」
「くそ…一つでも倒すか!」
手から放ったレーザーが、間一髪で彼をかすめる。しかし…荒木が電光石火の動きで盾を構え、身を挺して防いだ。
「これは…俺の力…俺の意志だ!」
「俺たちを舐めるなよ!」
盾を掲げて攻撃を防ぎ、目を閉じて拳を握りしめる。そして爛々と輝く目を見開くと、反動で光波を放った。
「うっ…もうだめだ」
「どう頑張っても、魔力が底をついた…」
「無理に巨人形態になっても意味ない…」
「というか、元々自分より強い相手との全力決戦用だ」
「エネルギーを…」
「もし戦いに参加するなら…」
「エンプさん?」
「光となって、彼らと融合しろ!」
私たちは迷わず拳を繰り出した。
「言っただろ?お前たちの技術は全て把握している」
「むしろ、この技術は元々俺から来ている」
「だから」
「ああ!」
彼の一撃で、腿の骨が折れる音がした。
「…大丈夫。初めてじゃない」
以前のケンカよりずっと痛いけど…我慢できる範囲だ。
体が回復するにつれ、大腿部の痛みは強烈になっていく。骨の髄まで響く痛みに、思わず叫びそうになる。でも今はそんな時じゃない。
善子は戦闘経験が豊富で、かろうじて攻撃を回避したが、大きく体力を消耗し、息を切らしている。
「わかったか?お前たちに勝ち目はない」
私は躊躇なく闇のエネルギーと炎を融合させ、火球を放つ。
「幼稚だ」
しかし、彼は一本の指でそれを防いだ。
善子はチャンスと見て光剣で突き刺そうとするが…
伸ばした腕を脇に挟まれ、そのまま壁に投げ飛ばされる。
「ぐはっ!」
音だけでも、腕と肋骨が折れたのがわかる。
普通なら肋骨が肺に刺さって即死だ。だが…彼女はまだ立ち上がれる。
「これが魔法少女か?」
エンプは状況を見て近づこうとしない。一撃で潰される可能性があるからだ。
同じように見つめているのは、よく似た姿をした二人。
金城と荒木のドワーフだろう…名前もう忘れかけている。
ちらりと視線を交わすと、エンプはすぐに彼らの救援に向かった。
「は…は…は…」
「この相手は、今の私たちには手に負えない」
「…奇怪だ、お前たちはどうして…まあいい」
「まあいいってなんだ?」と私は思う。
「…やはり言うまい」
彼の両手に黒い雷が走り、漆黒の手のひらがこちらに向けられる。
雷霆が激流のように襲い来る。
骨折した私は避けられず、シールドで防ぐしかない。だが…耐えきれない気がする。
善子も両手を胸の前で広げ、最後の抵抗をする。
「これで終わりか…」
それでもなお、私と善子は全力でシールドを展開する。
眉をひそめ、汗が滴り落ちるが、手の力を緩めることはできない。しかし力には限界がある。超自然の力であっても。
だが…神盾が砕け、煙が散った時、そこに現れた人影は少し違っていた。
「太郎!善子!」
「…やはり…」
(洞窟内で金光が輝く)
「…善子!どこにいるの!?」
「そっちこそ!どこ行ったの!?」
「え、あなたこそどこ?」
「それは私の台詞よ!」
「…え?」
「…え?」
二人はほぼ同時に一つの事実に気づいた。
どうやら…私たちは融合してしまったらしい。
もともと醜く歪んだ私の体から、金色の光が鎧を突き破って輝く。全身が突然対称的な姿へと変化した。
「…なんだこれ」
だが、眼前にはまだ敵がいる。
「なんだか…二人一緒なら」
「何だってできそうな気がする!」
渦巻くエネルギーが噴き出し、拳を繰り出すと、見事に彼に命中した。
星々のように煌めく光と共に、彼は遥か遠くへ吹き飛び、山体を貫通していく。
「ぐはっ…」
「…君たちの成長は予想を超えていると認め…あっ!」
返答を待たず、私たちは瞬時に接近し、さらに二発の拳を叩き込む。
腹部と顎に一発ずつ喰らうと、彼は隣の山へと吹き飛んでいった。
「…人を話させないつもりか」
そう言うと、彼はずっと隠し持っていたリモコンのボタンを押した。
瞬間、膨大なエネルギーが彼の体に流れ込む。私たちには阻止できず、ただ彼がどんどん巨大化していくのを見守るしかなかった。
ついに小山ほどの大きさになる。
「面倒だが、まず手中の魔力を吸収するか。修復できるはずだ…はっ!」
彼の拳は音速の壁を破り、一撃で私たちは眼を回し、立ち上がることすらできなくなる。
「うっ…」
第二撃が迫る時、かろうじて拳風を感知した私たちは、間一髪で粉砕される運命を免れた。
咄嗟に、私たちも巨人形態への変身を余儀なくされる。
「持続時間は短いが…これしかない」
だが…それでもなお、彼は優位に立っていた。
「隙を与えず、私たちが巨大化する瞬間に黒い雷電を放ち、私たちは仰向けに倒される。」
その後、腰を掴まれ背負い投げされ、頭から地面に突き刺さる。
「ぐえっ…」
しかし次の攻撃に対し、身体が本能的に動く。この時点では、大地も砂粒同然に感じられた。
「だが…無理に膨張しただけでは意味がなかった」
「これはエネルギー量の差だ…先ほどの澎湃としたエネルギーも、全身に拡散するとこれが限界か」
「方法は一つだけ」
不意打ちのように、全身のエネルギーを可能な限り高速で集中させる。
「コスミューム光線!」
光速には敵わず、技は見事に命中する。
だが…煙が散ると、良いニュースと悪いニュースがあった。
良いニュース:彼の腕は完全に気化し、元々なかったかのように消えている。胸部も重度の火傷で、焦げた胸には溶岩のような痕が残っている。
悪いニュース:それだけだった。
「まずい…来い!」
両手を広げ、拳を握りしめ、十字架のキリストのように構える。するとさらに澎湃としたエネルギーが彼の体内に流れ込み、瞬時に傷は癒える。
「もはや耐えられないと思っていたが…関係ない!」
拳が顔面を直撃し、私たちは吹き飛び、無数の山峰を粉砕する。
「もうだめ…意識が…保てない」
地面に倒れ、息も絶え絶えになる。息をするたびに、喉に何かが詰まっている感じがする。
「よくここまで持ったな。褒めてやる」
彼は首を回し、ゆっくりと近づいてくる。一歩一歩が地響きを立て、風雨来たるを思わせる。もはや抵抗する力もない。
「魔神…」
巨人の体も明滅し始め、半透明化して維持が難しくなる。
「これが…最後か?」
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