この世界は“どこか”で、“だれか”に繋がっている。

 この作品『Perfect Reboot ― 世界に似たどこか』を読んでいると、仮想と現実、そのあいだで揺れ動く繊細な心の描写に、思わず胸がきゅっとなりました。デジタルの世界に浮かぶ言葉のひとつひとつが、不思議とあたたかみを帯びていて、どこか懐かしい気持ちにさせてくれるんです。

 主人公の少女の目を通して描かれるのは、「記憶って何だろう」「絆って、どういうことなんだろう」という、誰もがふと立ち止まって考えるようなテーマ。でもその問いかけは、決して難しく押しつけがましいものではなく、まるで春の終わりに吹くやさしい風のように、自然に心に寄り添ってくれます。

 ちょっぴり切なくも、未来を信じてみたくなる――そんな余韻が残る物語でした。

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