第3話

騒がしい店を出ると、外は真っ暗だった。

3月とはいえ、夜はまだまだ冷える。


俺は大きく息を吐いて駅へ駆け足で向かった。



今いる池袋から、電車で30分。


副都心線に乗って渋谷で東横線に乗り換える。

着いたのは代官山。


そこから更に歩いて15分。


彼女の家についたころにはもう9時を回っていた。



明らかに家賃の高そうなマンションの4階の一番端の部屋。



チャイムを鳴らすと、タオルを肩にかけて髪が少し濡れた状態の彼女が部屋から出てきた。



「いらっしゃーい」


「いらっしゃいじゃないよ。なにその格好」


「お風呂入ってた」


「風邪引くし無防備すぎ」


「あはは、葵は心配性だなー」



そう言って彼女は笑い、俺を中へ入れてくれた。



彼女…深雪の部屋はいい香りがした。

多分深雪のシャンプーの匂い。



アンティーク調で統一されてる深雪の部屋はどれもこれも高そうな家具ばかりだ。


この部屋にくるたびに俺は身分違いなんじゃないかと何度も思い知らされる。


…いやそれだけじゃないか。

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