第11話

マンションの3階。

1人で住むには広すぎる2LDKの家。



あれから3年以上経った今でも、俺はこの家に住んでいる。




「あー女と住んでたことバレる家っすね」


「うるさい。いいからそのでかいカバン置け。大体なにが入ってんだよそれ」


「え、知りたいすか。空の弁当箱3つと、えんぴつけしごむにDSとPSPと、じゃがりこ2箱にえびせんと、あ、これはゴミだ」


「もういいもういい。ガキかお前。ゴミ捨てろ。大体弁当3つってなんだよ」


「あたし大食いなんで1個じゃ足りないんです」



そう言って漁っていたカバンを床に下ろすと、倫は早速キッチンに立ってごそごそし始めた。


怖すぎるんですけど…。



「俺まだ死にたくないんだけど」


「てかこんだけ揃ってるのにキッチン用品使わなすぎじゃないすか?ボウル埃被ってますよ」


「知らない」


「あたしという女がいながら浮気ですか」


「お前女じゃねーだろ」


「あんまり調子乗ってると、卵の殻わざといれてやりますからね」


「ふざけんな。っあーだりーなもう…」




倫といるといつもこんな調子だ。



散々言い合いをして、馬鹿げてると気づき、ため息をついて倫から離れる。

倫はなぜか勝ち誇った笑みを浮かべてガッツポーズをしているが別にお前は勝っていない。



家にいれるんじゃなかったとめちゃくちゃ後悔しつつ、キッチンの倫を放って寝室でスウェットに着替えた。


ベッドに座り携帯を開くと、会社からのメールが何件か入っていてそれを全部チェックし、再び閉じてはため息をつく。



…毎日毎日、こんなことの繰り返し。


倫がいてもいなくても俺は、ここ最近毎日ため息をついている。

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