第40話
その一言が死ぬほど嬉しかったことを、3ヶ月経った今でも私は忘れていない。
この言葉があるから私は思ったように記録が伸びないときも、大会に出させてもらえなかった時も頑張れる。
この言葉があるからどんなに先輩の瞳に映らなくても、相手にされなくても頑張れる。
ねぇ先輩。
私は先輩に会うたびに、先輩を好きな気持ちがただただ膨らむ一方です。
先輩が私を好きじゃないことは知ってるし、タイプでもないのも知ってるけど、もし私がどうしても我慢できなくて、いつか先輩とずっと一緒にいたいと言ったなら、少しくらい頭を抱えて迷ってくれるでしょうか。
ほんの少し、そんな望みを持ちながら、私は今日も自分の身長より高いあのバーを跳んでいます。
―――――――……
7月後半。
つまり、夏休みだ。
みんなは高校に入学して最初の夏休みを喜んでいたけれど、私にとっては憂鬱な1ヶ月だ。
夏休みって言ってもほぼ部活だし、それはいいんだけれどなにより先輩に合えないことほど辛いものはない。
夏休みに入って1週間で、早くも私は先輩不足で抜け殻になりそうだった。
今年はエルニーニョ現象とかいうやつのせいでかなりの猛暑で、練習も辛かった。
中には夏バテや熱中症になる人もいたけれど、そこは人一倍の体力で問題なかった。
今日の練習は涼しい午前中のみ(と言っても朝から30度を超えていたけれど)で、午午後の自主練も禁止になった。
そうせざるおえないほど外の猛暑が厳しいということだろう。
確かに今日は暑い。
正午の時点で35度は軽く越えている。
「あっちー」
私はその暑さに耐え切れず、友人と別れた部活帰りにコンビニでアイスを買った。
部活のせいでバイトができないから、安いガリガリ君のソーダ味を買った。
コンビニを出てすぐに袋を開けそれを口に運んでいると、目の前にオシャレな喫茶店にふと目が留まった。
窓側の席で楽しそうに談笑しながら高そうなコーヒーを飲んでいる男女。
その男性の方は後姿でもわかるくらい追いかけ続けていた人だった。
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