第29話
藤井君に突っ込んだその瞬間鞄の中に入っていた私の携帯が突然鳴った。
取り出して相手を確認すると、部長からだった。
「部長からだ」
「なんで?」
「わかんない。お疲れ様です、高山です」
『お、ごめんね~休み中に』
「あ、いえ」
電話にでると、あのテンションの高い声が電話越しに聞こえてきた。
っていうかいつも以上に騒がしい気がする。
『さっきまで会社にいて仕事してたんだけど大事なメールを取引先に送るのをすっかり忘れちゃって』
「は、はい?」
『でも今もう取引先と接待してて会社戻れないから申し訳ないんだけどこれから会社行って、送っておいてくれない?どうせ暇でしょ』
「い、今からですか」
『あとこれから二次会行くからさ、どこかお店予約しておいてよ』
「え」
『予約取れたら連絡して』
「は、はあ」
『じゃあ頼んだよ』
一方的にぶつっと切られてしまった電話。
はっとして私は慌てて携帯のメモ機能を開いて今から予約できそうな店を探した。
「どうしたの?」
「これから会社行かなくちゃいけなくなった」
「なんで?」
「メール送り忘れちゃったんだって。その前に居酒屋予約しなくちゃ」
「…なんで高山さんがやらなくちゃいけないの」
「え、だってほら私暇だし」
「………」
「あ、あった。ここなら」
私は急いで居酒屋に予約の電話をいれて、その居酒屋の地図と詳細を部長にメールで送った。
「じゃあ藤井君。また会社でね」
そう言って買う予定だった野菜を元の場所に戻し、私は駅までの道を戻り再び電車に乗って会社へ向かった。
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