第33話

そしてその夜、電車を乗りついて東京の白金台という駅についた。



東京にくるのはなんだか久しぶりだったし、これから教頭の身内とイタリアンで会食だなんて本当に胃が痛くなる思いだった。



でも会ってみると、紹介してくれた教頭先生の甥っ子さん(名前は雅人さん)は、とても物腰の柔らかい人で、どこか教頭先生に似ているような気がした。



年は30代前半くらいだろうか。

とても若く見えるが、落ち着いた様子にも思える。


陸先輩とも、千幸さんとも似つかない、年上の男性。




出される料理もとても美味しかったし、来てよかったと思った。



「こちらデザートのカシスケーキになります」



そして何の縁か、最後のデザートででてきたのはカシスケーキだった。


さすがに1週間立て続けに食べていたケーキだったから肩を落としそうになったけど、そんなことも言えないので喜んでいただくことにした。



まあるいドーム型。


上には軽く金粉が散らしてあって、白いお皿にカシスソースでマーブルの模様が書かれていた。



なんだかあの時のカシスケーキを思い出してしまう。




私は形が崩れないよう丁寧にフォークを刺し、それを口の中に入れた。




「…え……」




――“虫歯ですか?”

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