帰り道と連絡先
ー連絡先…女性と交換するのはいつぶりだろうかー
ちょっと記憶にはないかもしれないな。
あの子のときはお互い携帯も持っていなかったからな。おそらく人生で一番仲が良かったであろう女の子のことを思い出す。
「いい…ですか?」
僕が考えこんでいる様子を見て、氷室さんは不安そうに尋ねてくる。
「あぁ、いいよ」
ラインを繋いだ僕たちは、最寄りの駅で解散する。まだ外は明るいし、大通りを通るよう強く言っておいたので大丈夫だろう。大丈夫だよな?
家に帰って僕は『帰れたか?』とラインする。
すぐに『はい!おかげさまで』と帰ってきた。
ほっとした僕は夕飯の準備にとりかかった。
帰ってきた母、姉とご飯を食べ、風呂から上がると、ラインの通知が鳴った。
『すみません、明日から一緒に学校に行けませんか?他に約束している方がいたら結構ですので』
律儀な人だな、と思いつつも返信する。
『わかった、駅集合にするか?先約はないから気にしなくて良い』『ありがとうございます!では8時に駅集合でいいですか?』『了解』
こうして僕は氷室さんの男性恐怖症を克服するために一緒に登校することとなった。
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