第5話 地獄の特訓
体育の授業。
俺は大変困っていた。この地獄の状況に。
「ハッ…ハッ…!」
「お前らペース落ちてるぞ!」
「「「すみません!」」」
俺たちはまた走るペースを上げた。
(体力はある方だと思ってたんだがな…!)
『クヒヒ、鬼だなあの教師。』
(お前…!自分がやってないからって…!)
『頑張れよ。』
(くっそ…!)
そうして体育の時間が終わった。
「疲れた…。」
「やっと終わった…!」
「俺はあの教師を許さねぇ…!」
みんな地面に手をついて死んでいる。
「流石にキツイですね…。」
「そうだな…。」
俺と天王寺はタオルで汗を拭きながら話す。
「あ、そうだ。昨日話したチームの件はどうなった?」
「一晩考えて貴方達と組むことにしました。」
「おお!本当か。」
「はい。これからよろしくお願いします。」
「こちらこそ!」
『これで全員揃ったな。』
(ああ。)
これでどこまで上に行けるかだな。
◇◆◇
放課後になり、俺はチームのメンバーを食堂に集めた。
「じゃあこれから第一回チームの会議を始めます。」
「はーい。」
「応!」
「はい。」
「まず、それぞれの名前、能力を言ってください。」
「じゃあ俺から!おれは剛田 剛!能力は【強化】と【絶壁】!強化する部位を一部に絞ると強化がさらに強まるぞ!【絶壁】は纏えるから便利だぞ!」
「強そう。」
「シンプル故の強さですね。」
「多分ランク戦で結構頼るだらうからよろしくな。」
「ああ!」
「じゃあ次は私ですね。天王寺 雫です。能力は【治癒】と【聖光】です。治癒は名前の通りですが聖光は光の光線を自由に操作できます。」
「…あれ?このチームもしかして強い?」
「そうだな!天王寺さんの能力は優秀だしな!」
「頼りにしてるぞ。天王寺。」
「はい。よろしくお願いします。」
「…じゃあ次俺行くね。俺は神喰伊織。呼び方はまあ…上でも下でもいいけど上は呼びにくいだろうから無理に上にしなくていいよ。能力は【暴食】。これは…見た方が早いからまた今度説明するね。」
『!!!』
(どうした?)
『コイツのバックにいる奴がわかった。』
(なんなんだ?)
『
(大罪…って聖典にある?)
『ああ。七つの大罪ってよく聞くだろ。』
(それが伊織のバックにいるのか?)
『ただの大罪じゃねぇ。他の大罪を喰った大罪だ。』
(!喰ったって…。他の大罪が弱かったってことか?)
『逆だ。他の大罪が強くて更に暴食が強かったってことだ。』
(暴食の能力ってまさか…。)
『喰らった奴の能力の行使だ。勿論制約はあるだろうがな。』
(…マジか。)
そうだとするとこのチーム結構ヤバい奴らを集めたかもな…。
「おい!大丈夫か!リアン!」
「ん、ああ、悪い。少しぼーっとしてた。」
「今日の体育とかきつかったもんな。大丈夫?」
「無理はしないでくださいね。」
「ああ、大丈夫だ。次は俺だったよな。俺はリアン・ロベス。下の名前で呼んでほしい。能力は【暗透】と【暗光】だ。暗透は地面や壁に斬撃を固定できる。発動するタイミングは誰かが踏んだタイミングかもしくは俺が発動させたタイミングだ。暗光は天王寺の聖光の下位互換だな。俺が指定した直線的な動きしかできない。発動してから軌道修正ができないってことだな。」
「それでも充分強いでしょ。」
「暗透…使い方次第で強くなりますね。」
「難しいことはわからんが強いってことだな!」
こうして自己紹介が終わった。
「じゃあ次。チームの名前を決める。案がある人。」
「はい!」
「はい剛田。」
「筋肉隊!」
「却下。次伊織。」
「大根。」
「却下。ちなみに理由は?」
「食べたいなぁって思って…。」
「せめて冬にしてくれ。天王寺は?」
「そうですね…。ここは無難に隊長となる人の苗字などでしょうか。」
「俺の苗字はロベスだからロベス隊か?」
「なんか「隊」ってつくのやだー。」
「じゃあどうすっかなぁ…。」
俺たちはみんなうーんと首を傾ける。
「まあこれは今すぐじゃなくていいので後日考えましょう。」
「そうだな。じゃあ次。毎週集会みたいなものをしたいんだけどみんないつの曜日がいいとかある?」
「日曜日が確実にあいてる。」
「俺もだ!」
「私もですね。」
「じゃ、日曜日の午前9時からここでいいか?」
「いいぞ!」
「俺もー。」
「私も大丈夫です。」
「よし。あとグループナイン作っときたいんだけど。」
「あーまずは繋ぐか。」
「これやり終えたら今日はかいさーん。」
「了解です。」
「おう!」
こうして第一回チームの会議が終わった。
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ナインっていうのはLINEのことです。この世界の。
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