第4話

「えっ」

「あっ」


見られた。

たまたま通り掛かった通行人に俺の全裸が!

マズいと思った時には既に手遅れ、大通りに響く絶叫。

観衆の目に俺の全裸が晒されちまった!!

もう逃げ出したね。路地裏の奥に向かってさ。

浮浪者に全裸を見られるが、もはや俺のメンタルは無敵!!

見たければ見やがれ!俺に隠す物は何もありゃしねぇ!!


「ハハハハハハハハハハ!!」


衛兵に捕まった。

なんでも笑い声で俺の居場所がバレバレだったらしい。

そっすか。で、俺どうなるんで?

一年の懲役?短くなることは無い?

あぁ、公衆の面前で全裸で走るような奴を簡単には出したくないと……正論過ぎて何も言えねぇ!!

えぇ、異世界初日にして俺監獄に入るの?

あ、いや、待てこれ。逆に運が良かったんじゃねぇか?

だって、いま俺、金なし、服なし、職なしのないない尽くしだぜ?

監獄に入れば最低限の服と食料が得られる。

それも一年間も、だ。何気に良い寄生先を見付けたとも言える。


―――俺、頭良すぎないか?

※いいえ、ただの馬鹿です。

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