第3話

「登録料は銀貨1枚となります」


終わっ……た。

まさか登録料があるとは、冒険者ギルド……恐ろしい所だ。

普通あるなんて思わないじゃん!

荒くれ共が我が物顔で入り浸る。そんなアウトローな場所を想像してたのに!

確かにぃ?荒くれっぽいのは居るよ?強面で威嚇してんのかってぐらいに怖い男たちがね?

でも違うんだよ!!声を掛ければ普通に会話してくれるし!

なんなら分かんないことあったら聞いてくれとか、何処の聖人だよ!!ってぐらいの好い人達だったんだよ!!

俺の……俺のイメージが崩れて行く……!

もうね、脇目も振らずに一目散に逃げ出したよ。

これは俺の思ってた冒険者じゃない!って叫びながらさぁ。

で、気が付いたら俺は路地裏にいた。

ここはまんまイメージ通りのスラム街。

思わず小躍りしたね。これだよこれ、これこれってさ!!

で、そこに現れるいかにもな小物!金を寄越せとか言うもんだから、これはもしや?もしかして?っとウキウキしたね。

今から始まるは俺の無双劇。

剣を構え、構え……あれ?手が何故か空を切るぞ?

慌てて腰を見るがそこには何もない。

…………あぁ、そう言えば、俺。そもそも剣持ってなかったわ。

俺はボコられた。完膚なきまでにボコボコに。

挙げ句に、身ぐるみまで剥がされた。ぐすん。


やるなら殺れよ!!それでも悪党かよ!!

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