クソゲー・レアゲー研究所【まどろみ異聞】伝説のクソゲーに挑む!

YouTubeチャンネル【クソゲー・レアゲー研究所】

202■年5月■■日配信

『【まどろみ異聞】伝説のクソゲーに挑む!』より


(以下、動画の一部書き起こし)


◯◯「◯◯です」

△△「△△です」


 画面に大写しにされた二人の女性キャラクターの顔が挨拶をする。その後、二人のキャラクターは画面右下と左下に小さく映され、それぞれが話すのに合わせて口を動かしている。


◯◯「まずは皆さん……」

△△「本チャンネルついに……」


◯◯&△△「登録者数100万人突破しました!」


◯◯「皆さん本当にありがとうございます」

△△「我々、これからも良質な動画をお届け出来るよう、より一層頑張りたいと思います!」


◯◯「というわけで、今回は皆さんへの感謝を込めて……あの伝説のクソゲー……【まどろみ異聞】を実際にプレイし、本当にクソゲーかどうかを検証していきたいと思います!」

△△「ちょっと待って◯◯」


◯◯「はい? どうしましたか?」

△△「なんか『みなさんご存知の!』みたいな勢いで言ってたけど【まどろみ異聞】ってなに? 全然聞いたことないんだけど」


◯◯「……」

△△「何か言ってよ!」


◯◯「△△はクソゲー・レアゲー研究所の研究員として恥ずかしくないのか?」

△△「むしろ恥じらう気持ちがあったらこんな研究所で研究員してないわよ!」


◯◯「ぐうの音も出ないな。まあ確かに『知る人ぞ知る』といった類のゲームではあるから、ご存じない視聴者の方も多いだろう。では、まずは知らない方のために【まどろみ異聞】とは何か、というところから説明しよう」

△△「よろしく頼むわ」


◯◯「【まどろみ異聞】は1986年に■■■■から販売されたファミリーコンピュータ専用ソフトだ。ジャンルはアドベンチャーで、舞台となる【西間泥水(にしまどろみ)】の町で起きた殺人事件の犯人を追う、というストーリーだ」

△△「アドベンチャーゲームなのね」


◯◯「そうだ」

△△「伝説の、って言っていたけれど、希少なソフトなのかしら?」


◯◯「実は販売元である■■■■はこのゲームを発売してすぐに倒産してしまったんだ」

△△「あら、そうなのね」


◯◯「もともと■■■■はゲーム会社ではなく、パソコンのパーツなどを販売する会社だったようだな。本業の経営状況があまり良くなかったのか、倒産の理由はわからないがな」

△△「なるほど」


◯◯「そんなわけで【まどろみ異聞】は初期出荷の数百本のみしか流通しなかったらしいぜ」

△△「それはなかなかレアね。◯◯はどうやって手に入れたの?」


◯◯「ネットオークションで買ったぜ」

△△「……いくらで買ったの?」


◯◯「……△△の好物のチーズ牛丼200杯分くらいだな」

△△「あばばばばば」


△△「ちなみに、今回はクソゲー検証って聞いたけど、このゲームはクソゲーなの?」

◯◯「それはプレイすればすぐにわかるので、早速ゲームを始めようか」


 ゲームのオープニング画面が映される。


△△「オープニングは無音なのね。ちょっとタイトルロゴが怖い感じだけど……これはホラーゲームではないのよね?」

◯◯「一応ホラーゲームではないが、全体的に怖いテイストだな。苦手な人は注意だぜ」


 ゲームがスタートする。特に何の説明もないまま、主人公と思われる少年の部屋が俯瞰で映される。グラフィックの質は悪く、配色もごちゃごちゃとして見づらい。


△△「いきなり始まったわね」

◯◯「クソゲーあるあるだな」


 テロップが表示される。

【クソゲーポイント1:何の説明もなくはじまる】


△△「それにしてもグラフィックが、見辛いわね」

◯◯「色も目がチカチカするな」


 テロップが表示される。

【クソゲーポイント2:グラフィックが粗く配色も見辛い】


 プレイヤーの操作により、主人公が部屋の中を歩き回る。


△△「何をしたら良いのかしら」

◯◯「取り敢えず色々調べてみようか」


 主人公が自身のベッドを調べる。「まだあたたかい」とメッセージが表示される。次に机を調べる。「やりかけのしゅくだいがおかれている」とメッセージが表示される。次に本棚を調べる。「もうどれもよみあきてしまった」とメッセージが表示される。

 主人公が移動し、扉から外に出る。町の全体図が俯瞰で表示される。画面右上には「どこにいこうか?」というメッセージの下にウィンドウがあり、そこには「がっこう」「としょかん」「ゲームセンター」と移動先と思われるメニューが並んでいる。ウィンドウには余白があり、移動先はこれから増えていくようだ。

 BGMが流れているが、それは音楽ともノイズともつかない、かなり不快なメロディだ。歪な短いメロディがループ再生される。


△△「部屋を出たらいきなり外なのね……っていうかこの音楽はなに? めちゃくちゃ不快なんだけど?」

◯◯「この音楽はマップを表示している間ずっと流れ続けるぜ」


 テロップが表示される。

【クソゲーポイントその3:マップのBGMが不快】


△△「部屋の中は自由に歩き回れたけれど、ここからはメニューから選んで行動していくのかしら?」

◯◯「そうだな。まずは『がっこう』に行ってみようか」


 メニューから『がっこう』を選択する。画面が切り替わる。全体マップを背景に、画面中央がイベントウィンドウ、画面下部がメッセージウィンドウ、画面右側にメニューウィンドウ、画面左上には現在地と時刻が配置されている。今、現在地には『つうがくろ』、時刻には『ごぜん8じ』と表示されている。

 イベントウィンドウに、道路に横たわる人らしきグラフィックが表示される。どうやら血を流しているようだ。メッセージウィンドウには『さつじんだ!』と表示されている。


△△「急展開ね! だけど『さつじんだ!』って、見ただけでどうしてわかるのかしら?」

◯◯「それは◯体を調べてみればわかるぜ」


 メニューウィンドウから『しらべる』を選択する。するとメッセージウィンドウに『どこを?』と表示され、その下に『したい』『どうろ』『でんちゅう』と選択肢が続き、プレイヤーは『したい』を選択する。するとメッセージウィンドウに『ナイフがささっている・・・いったいだれがこんなことを』と表示された。


△△「なるほどね……こんな感じで調べていけばいいのかしら?」

◯◯「よし、他のところも調べてみようか」


△△「ところで、ずっと気になってたんだけど……メニューを選んでから変な間があるのはなんなのかしら?」

◯◯「確かに気になるよな。アドベンチャーゲームは色々なところを調べたりしなくちゃいけないから、このテンポの悪さは最悪だぜ」


 テロップが表示される。

【クソゲーポイントその4:メニューを選ぶたび変な間がある】


(中略)


 メッセージウィンドウに表示されたメニューから『カオル』を選択する。『はんにんは・・・カオルさん! あなただ!』とメッセージが表示される。イベントウィンドウのグラフィックが切り替わり、顔を両手で塞ぎ、膝から崩れ落ちる女性らしき姿が映される。

 画面が暗転し、悲しげなBGMと共に画面中央に『THE END』と表示される。そしてすぐにオープニング画面に切り替わる。


△△「えっ? おわり?」

◯◯「おわりだぜ」


△△「エンディングとかはないの?」

◯◯「ないぜ」


△△「結局、カオルはなんでタケヒロを◯したの?」

◯◯「わからないぜ」


△△「これ、他にエンディングはあるの?」

◯◯「ないぜ」


△△「クソだわ」


 画面が切り替わり、中央には『感想』と大きく文字が映される。


◯◯「それではプレイした感想だぜ」


△△「まずはストーリーだけれど・・・何の説明もなく始まって、何の説明もなく終わったって感じよね」

◯◯「いきなり始まるのはファミコンのゲームではそこまで珍しくはないが、アドベンチャーゲームで推理ものなのに、最終的に犯人の動機とかが何にも語られないのは残念だったな」


△△「途中のストーリーはまあまあ面白かっただけに残念だわ」


◯◯「次に操作性はどうだった?」

△△「UI自体はよくある感じで特に使いづらい感じはなかったわね。ただ、レスポンスの悪さは最後まで慣れなかったわ」


◯◯「あとは音楽だな」

△△「正直最悪ね。音楽というよりほぼノイズだわ」


◯◯「確かに、基本的にどの場面でもBGMは音楽とも言えないような代物だったぜ」

△△「マップ画面のBGMが特にひどくかったわ。頻繁に開く画面だから余計にキツかったわね」


◯◯「最後までプレイするとあのマップの音楽が頭から離れなくなるよな」

△△「今目を閉じても、あの音楽とマップが鮮明に浮かぶわ」


◯◯「総評としては、紛れもないクソゲーではあるけれど、途中のストーリーはなかなか面白くて、UIも悪くはなかった。って感じかな?」

△△「音楽とレスポンスの悪さ、エンディングのモヤモヤする感じはフォロー出来ないレベルのクソね」


 画面が切り替わり、二人のキャラクターの顔が大写しになる。


◯◯「今回は幻のクソゲー【まどろみ異聞】をプレイしました」

△△「みなさんの耳は大丈夫でしたか? 私は今から耳鼻科に行ってこようと思います」


◯◯「それではまた次の動画でお会いしましょう」

△△「最後までご視聴いただきありがとうございました」


(動画終了)

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