第3話

帰り道に格安スーパーで安い醤油と味醂を買って帰路に戻る。

今日は一緒に安かった卵を使って妹の大好物のオムライスにしよう。


家に帰り食品を冷蔵庫にしまったら母の仏壇に手を供える。

母は俺が中学に上がるときに交通事故に巻き込まれて亡くなってしまった。


そこから父が男手一つで育ててくれたがその父も去年過労で倒れ今は父の実家の田舎で安静にしている。


生活費は生前バリバリに働いていた母の遺産や父からの仕送り、学費はなんとか頑張って奨学金を貰っている。


「おにーちゃんおかえり、今日のご飯は?」

「咲の好きなオムライスだ」

「やったー!」


帰ってくると妹の咲が出迎えてくれた。


「早く準備するからちょっと待ってな」

「はーい」


その後皿洗いとお風呂、課題を進めていると配信開始の通知が来る。


「おっ、来た来た」


もうすぐで課題も終わるので早く終わらせてしまおう。


なんとかホラーゲーム開始前の雑談タイムの時に終わらせることができたし風呂には入っている、安心してリス活ができる。


『はーい今日も皆さんこんおるか〜』

「こんおるか〜」

「このおるか〜!!」

「こんおるか!!」


『今日は予告通りホラーゲームの9番通りだよ〜、ホラゲー得意じゃないんだけど頑張っちゃう」


そうそう、そういう頑張り屋でエンタメを重視してくれるのも好きポイント


『はーいクリア耐久ってことで3時間くらいかかっても終わらなかったんで明日の配信に持ち越します〜すみません』

『それじゃあ今日の配信はここまで、お別れの挨拶は〜』

「おつおるか!」

「おつおるか〜」

「おつおるか〜!!」


今日も可愛かったな、明日も頑張れるな。

それじゃあ明日も早いし寝るかな…


目を閉じ、少し経った頃、ある疑問が浮かぶ。

他人がアナリティクス画面って見れたっけ。











「ふぅ〜今日も配信お疲れ様、自分」


ヘッドセットを机に置き、ベッドに横になる。


私、黒瀬薫は配信者黒海オルカだ。


今日は配信者本人しか見れないアナリティクス画面を見られてしまったが気がつかれなかった…我ながら運がいいと思う。


「それでも…最古参…嬉しいな…」


まさかあんな近くに本当に数人しかいない最古参の人がいるとは…


「配信者してて良かったなぁ〜えへへ」


さて、明日も学校があるしそろそろ寝ますか〜

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