第2話

HRが終わり1限は移動教室、太一と一緒にロッカーを漁り準備をする。


「オルカもさぁ…声質的に高校生とか大学生だよなぁ…」

「まぁ…そうだろうな。同じ都内のどこかの学校にいるんだろう。」

「配信だと完璧なオルカも…学校嫌だとか思ってるんだろうか…」


そういえばあんまりそういうのは考えたこと無いな。オルカがもしこの学校にいたら…まぁそんな事ないか。


チラリと時計を見ると1限の時間が迫っている、急がないと。


「急ぐぞ、あと5分もない。」

「やべ、まじか」


教科書とノートをリュックに入れ、行こうとした瞬間、誰かにぶつかる。「きゃ」という声が刹那的に聞こえる。


「っ、ごめんなさい」

「いえ…私の方もすみません…」


ぶつかってしまったのは例の黒瀬さん。

ぶつかった衝撃でスマホが足元に転がってきていた、俺はそれを拾い上げ彼女に手渡す。


「はい、これ。スマホ。落とし…」


そのスマホに表示された画面がチラリと目にはいる。


それは配信アプリのアナリティクス。それだけだったら何も思わなかっただろう。


しかしそれは…俺の推し「」のものだった


「あ、オルカ」


つい口からこぼれた言葉に彼女はピクリと反応する。


「オルカの事、好きなの?」

「まぁ…」

「何がまぁだよ。こいつ初配信から応援してる最古参中の最古参だぞ」

「そうなんだね」

「っと、おい太一、黒瀬さん。そういえば時間やばいんだった」

「やっばもう1分前じゃん」

「急がなきゃ」


結局授業には間に合わず3人とも怒られたのだが。


昼休みになり太一とだべりながらご飯を食べていると黒瀬さんが近づいてきた。


「白石くんに青野くん。ご飯一緒にいいかな?」

「いいよ〜」

「ありがと、それでね白石くん。オルカの最古参ってのは本当?」

「あぁ、スクショも撮ってるからな。ほら」


最初期の辿々しい時のスクショ、今よりも同接数が少ないのが感慨深くなる。


「本当だ…すごい…」

「考えたらもうすぐアニバか」

「そうだね」


そこからもオルカの話題で会話は弾みあっという間に昼休みは終わる、5限は選択授業なので黒瀬さんとはここまでだ。


「それじゃあ」

「あぁ」

「なぁ〜に鼻の下伸ばしちゃて、オルカ一筋じゃないのかよ」

「俺はガチ恋しないんだよ。おら、授業行くぞ」

「ヘ〜い」


そうして授業と部活が終わり帰路に着く、確か醤油とみりんが無くなりそうだったはずだから買って帰らねば










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