俺の推し配信者黒海オルカが同級生だった件
拓斗
第1章第1話
「やっぱり」
運命が…もし存在しているなら…
「黒瀬さんが…」
神様が…運命を操っているのなら…
「黒海オルカ」
神様は今、どんな顔をしているのだろう
時刻は夜の10時半、そこそこの本と数点の形見、そして机と椅子だけが置かれたこぢんまりとした部屋。
『みんな〜それじゃあ今日はありがとね〜お別れの挨拶は〜』
「おつおるか!!」
「おつおるか」
「おつおるか!」
『は〜いみんなおつおるかありがと〜!それじゃあ次の配信でも会おうね〜バイバ〜イ』
画面に表示される配信は終わりましたの文字、今日も黒海オルカは可愛かった。
黒海オルカは俺、白石晶の最推しだ。
配信者界隈に彗星のように現れ一気に伸びてきた期待の新人、その素性は都内住みの女の子ということしか明かされておらず、そのミステリアスさも人気に拍車をかけている。
「明日の配信はホラゲーか…絶叫に定評のあるオルカだしかなり楽しみだな」
自慢なんだが俺はなんと黒海オルカの最古参ファンの一人だ。
あの日オルカに出会ってなかったら、きっと確実に今の俺はないだろう。
さ、配信は終わったし今日のところは寝よう。
カーテンから漏れる朝日で起床し、妹の咲を起こす。朝ごはんを作り。身支度と母の仏壇に手を合わせて家を出る。
学校はここから6駅先、少し丘の上にあって学生からは結構不評だが偏差値は都内有数の学校だ。
電車に揺られる最中も彼女のオリジナルソングを聴く。改めて彼女にズブズブだなぁと思う。
通勤通学ラッシュで満員の電車に揺られ少し歩き学校に着く。
「おっす」
「おはよ」
こいつはクラスメイトの太一、この学校で数少ないオルカ友達だ。
「昨日の配信も良かったな」
「そうだな」
その後も色々と昨日の配信の話をしているといつの間にかHRの時間ギリギリになっていた。あとこのクラスで来てなさそうなのは俺の斜め前の席、黒瀬薫だけだ。
こいつはいつもHRギリギリに登校しては先生にボヤかれている。まぁもう先生側も諦めてそうではあるが。
「すみませ〜ん、またギリギリになっちゃいました〜」
来ると同時にチャイムがなる、確か一人暮らしって聞いたがそこまでギリギリとは自堕落な生活なのだろう。
「はいはい、早く席に着いて。HR始めるぞ〜」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます