静かに狂う――呪いの正体を追う正統ホラー



凄惨な事件に始まり、主人公に覆いかぶさる陰湿な出来事、さらに追い打ちをかけるような両親の様子。おおよそ最悪と言っていい出来事が次々と積み重なる。

しかし、そんな出来事に、もしも『仕組み』があるとしたら?

主人公が直面する狂気の出来事の背景にある怪しい宗教、或いは呪術。それが読み解けたとき、至るのは解放なのかそれとも……

本作は強烈な描写もさることながら、じわりじわりと忍び寄る『なにか』の存在をほのめかすバランス感覚も魅力なホラーかと思う。一体何が起きているのか、ついつい主人公とともに知りたくなったり考えたりしてしまうだろう。

学校も家族も頼れない主人公がいかにこの理不尽で奇怪な物語に立ち向かうのか、ドキドキしながら読み進められる物語。

単純にホラーを求める人にも、謎同士が組み合わさって一つの事象を描くミステリーを求める人にもおすすめの一作。