第21話 彼だと一目でわかった

上半身が震えて目が覚めた。


自分の体があまりに汗でベタベタしている。


笑ってしまった。


目の上に乗せるタオルが違っても、「彼」の存在を意識していてもパーキングで眠れた。


車を降りて、軽く伸びをする。


ちょうど良いくらいに薄暗くなっている。


これぐらい暗ければ、彼は車の写真を撮れないだろう。


やっとトイレまで歩くことができる。


一応、左右に目を配る。


それらしい車や人は見当たらない。


そう、このパーキングの、この時間に彼がいる確率は限りなく低い。


売店へ行き、突然レモン系が欲しくなったので、ビタミンCがたっぷり入っているペットボトルの炭酸飲料を購入した。


売店を出て、自分の車を見たとき、彼がいた。


私の車から一台分空けて横に赤のスポーツカーが停まっている。


運転席の横に、男の人がスマホを構えて立っている。


私の方ではなく、大型車専用の駐車場の方へスマホを向けている。


彼だと、一目で分かった。




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