第16話 いつものって何?
「お母さんが悪いんじゃない?」
え? と高校一年の長女の顔を見た。
「こういうとき、娘って母親の味方をするものでは……」
「でもさー、お父さんっておもしろいし、おじさんくさくないし、魅力的なんだと思うよ」
「どんなに魅力的でも浮気はダメだと思うけれど」
娘の目が私を女として測っている。
「うーん、お母さんはさぁ、お母さんだからねぇ」
確かに私は夫の前でも女ではなく、こども達のお母さんだ。
夫と、私より10歳下の浮気相手の女の人とファミレスにいた。
3人揃ってから、夫が普通にランチセットを頼んだから驚いた。
よく、こんな修羅場でご飯が食べられる。
私と彼女は飲み物だけにした。
ファミレスだからドリンクバーの飲み物しかない。
何かいれてくるために私が席を立ったとき、
「俺にも、いつものお願い」
夫が言った。
いつものって何?
あんたとファミレスなんか、来たことないって。
息子達がいたときはファミレスだと逆に高くつくから行かなかったし、娘は親とファミレスへ行くのを嫌がるし。
遠い昔、学生だった頃、一緒に行った場所、あれはファミレスではなくパーラーだった。
まだ、こども達が生まれる前、私が女だった頃だ。
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