第8話 家で誰も待っていない

年に一度の北部で開催されるママさんバレーの大会。


8時に体育館に着かなくてはいけないから、逆算して1時間半前に家を出た。


観光客が減る冬期とはいえ、三連休の初日だ。


美ら海水族館へ向かう車などで渋滞して焦りたくない。



道は空いていて30分以上ゆとりができた。


当然のようにパーキングに車を停める。


少し目を閉じていたかったが、体が動かなくなりそうだったので車から降りた。


売店でコーヒーを買い、遠くに海が見える外のベンチに座る。


海は曇り空を映していて白い。


でも、綺麗だ。


幼い頃から、沖縄の海を汚いと思ったことは一度もない。


綺麗だと思うようになったのは大人になってからだけれど。



夫はまだ、眠っているだろう。


時々、いびきを響かせて。


3人のこども達は、それぞれの家で眠っているだろうか。


ガソリン代と高速代をかけて、勝っても負けてもそこまで感情が動かない試合に出るために土曜日の早朝、私はここにいる。


チームのメンバーのほとんどは体育館近くのホテルに泊まる。


負けて、明日の試合がなくなっても楽しく飲むことができるから。


私は帰る。


家で、誰も待っていないのに。


帰りは家の近くのパーキングに寄ることを決めているから。












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