第9話 傲慢とシャンパンタワー


日に日に夜の蝶として染まっていく中

私は完全に“人間の心”を失っていた。




「私のためなら、できるよね?」

「無理ならもう二度と会わない。」




困らせる言葉を投げつけ

どんどんわがままが加速していた。


とてつもない空気になった事も多々あるし

睨まれたり怒鳴られたりすることもあった。






それでも平然とし相手の心を握り続けた。






ある日、

いつも通ってくれていた同い年の男の子に

私は一つのお願いをしてみた。





「シャンパンタワー、してみたい」






銀座では非常識とされる演出。

それでも、私はどうしてもやってみたかった。







まだ20代中頃の彼は

“多額の借金”をしてまで

その願いを見事に次の月に叶えてくれた。






なんでもない普通の営業日に

ネオンカラーに輝くシャンパンタワー。


一番大きなフルーツ盛り。

そしてタワーとは別の高級シャンパンまで。







当時の私は「遠慮」も「配慮」もなかった。



すべての結果は“私の力”だと勘違いし

まるで女王様のようにふるまっていた。





とんでもなく嫌な女へと仕上がっていくが

ホステスとしてはNO1へと成長をしていく。

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