第8話: 体育祭でトイレダッシュ!

秋晴れの空の下、体育祭の日がやってきた。校庭には色とりどりのテントが並び、グラウンドでは生徒たちが競技に励んでいる。ハルカたちのクラスは赤組として、応援団の掛け声と共に一致団結していた。ハルカは体育着姿で、緊張した表情を浮かべながら準備運動をしている。

「うう…リレーの選手に選ばれるなんて…私、緊張する!」

ハルカはクラス対抗リレーの選手に選ばれていた。彼女のクラスは赤組として優勝を目指しており、ハルカはアンカー前の走者に選ばれたのだ。だが、緊張のせいで水をガブガブ飲んでしまったハルカに、試練が訪れる。

「うっ…! やばい…! トイレ…! リレー前にパニックはまずい!」

ハルカは膝をガクガクさせながら、校庭から校舎のトイレへ猛ダッシュ。体育祭の混雑で校舎は人でごった返しており、廊下には競技の合間に休憩する生徒たちが溢れている。ハルカは「トイレの神様、体育祭でも試練なの!?」と叫びながら、女子トイレにたどり着くが、案の定、大行列ができていた。

「うそ…! こんなに並んでる!? 膀胱が…!」

ハルカは膝を震わせながら列に並ぶが、行列は一向に進まない。隣に並んだ美咲が、優雅に髪をかき上げながら絡んできた。

「ハルカ、相変わらずね。体育祭でトイレパニックなんて、私にはありえないわ。ちゃんと我慢すればいいのに」

「美咲、邪魔しないで! 私の膀胱は国家非常事態なの! 我慢なんて無理!」

ハルカは涙目で反撃し、美咲は「ふーん」と鼻で笑う。そこへ、列の後ろからミキがやってきて、ニヤニヤしながら絡む。

「ハルカ、体育祭でトイレパニック! リレー前に漏らしちゃう? 動画撮っちゃうよ!」

「ミキ、黙れ! 漏らさないもん! でも…本当にヤバい…!」

ハルカが叫びながら膝を震わせる姿に、列に並ぶ他の生徒たちも「ハルカ、頑張れ!」「トイレパニック、体育祭編!」とからかい始める。なんとか個室に入ったハルカは、「生きてる…! トイレの神様、ありがとう!」と叫びながら用を済ませる。

だが、急いで出てきたハルカ、スカートがめくれ上がっていることに気づかず、リレーのスタート地点へ猛ダッシュ。グラウンドに戻った彼女は、クラスメイトたちと一緒にリレーの準備を始める。ちょうどその時、ケントがハルカの姿を見て呆れた顔で指摘した。

「佐藤、スカート! めくれてるぞ!」

「え!? きゃあ! 見ないで! ケントのエッチ!」

「誰がエッチだ! ったく、直せよ!」

ハルカは顔を真っ赤にしてスカートを直す。クラスメイトたちが「ハルカ、スカートめくれ!」「体育祭の新記録!」「ケント、ナイス指摘!」と大爆笑。ミキが「ハルカ、リレー前にパニック! 動画撮っちゃった!」と叫び、ハルカは「ミキ、消して! 私の体育祭人生、終わる!」と絶叫。

リレーがスタートし、ハルカの順番がやってくる。バトンを受け取った彼女は「負けない!」と叫びながら全力疾走。しかし、緊張と慌てたせいで、バトンを次の走者であるケントに渡す瞬間にポロリと落としてしまう。

「うわっ! バトン! ごめん、ケント!」

「佐藤、バカか! 俺がなんとかする!」

ケントは素早くバトンを拾い上げ、驚異的なスピードで次の走者に渡す。ハルカのドジをカバーしたケントのおかげで、赤組はなんとかリレーで2位に食い込んだ。ゴール後、クラスメイトたちが「ケント、ヒーロー!」「ハルカ、ドジったけど頑張った!」「赤組、2位おめでとう!」と大盛り上がり。

ハルカは息を切らしながら、ケントに感謝を伝える。「ケント、ありがとう…! バトン落としたのに、助けてくれて…」

「ったく、めんどくさい奴だな。次はお前がちゃんとやれよ」

ケントはそっぽを向いて呟くが、ミキが「ハルカ、ケントにデレデレ! リレーで恋のフラグ立ったね!」とからかう。

「違うー! ただのクラスメイト! ミキ、黙れー!」

ハルカの叫び声に、グラウンドはクラスの笑い声でいっぱい。体育祭は、赤組の団結力とハルカのドタバタで賑やかに進む。

その後、ハルカは校庭のテントで一息つきながら呟いた。「リレー、緊張したけど…楽しかった…。ケント、いつも助けてくれてありがと…」

ミキが「ハルカ、次は体育祭でトイレパニック期待してるよ!」と笑いながら言うと、ハルカは「もうパニックしない!」と叫び返す。体育祭は、クラスの笑い声と共に賑やかに幕を閉じた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る