第5話: 修学旅行最終日! トイレと別れの危機!

修学旅行最終日。ハルカのクラスは京都駅で自由行動の時間を楽しんでいた。京都駅のコンコースは観光客でごった返し、土産物屋や飲食店が立ち並ぶ賑やかな雰囲気だ。ハルカは抹茶パフェを手に、満足げな笑顔を浮かべていた。

「修学旅行、楽しかったー! 抹茶パフェ、最高! 京都、最高!」

ハルカはスプーンを手にパフェを頬張りながら、隣のケントに話しかける。「ねえ、ケントも一口食べる? 抹茶、めっちゃ美味しいよ!」

「いらない。ていうか、お前、抹茶ばっかり食べてるな。清水寺でも抹茶ソフト3個食べてただろ」

ケントの冷静なツッコミに、ハルカは「抹茶は京都の味! 食べなきゃ損じゃん!」と笑う。だが、その直後、彼女の顔色が一変した。

「うっ…! やばい…! 京都駅、トイレどこ!? また試練!?」

抹茶パフェの水分が、彼女の膀胱に直撃。ハルカは膝をガクガクさせながら、パフェのスプーンを手に持ったままキョロキョロと辺りを見回す。

「トイレの神様、最後まで試すの!? 修学旅行、最後の試練、キツすぎる!」

「佐藤、落ち着け。案内板見ればトイレの場所くらい分かるだろ」

ケントが冷静に言うが、ハルカはすでにパニック状態。スプーンを手に持ったまま、京都駅の広大なコンコースを走り出した。

「案内板読む時間ない! 膀胱が…! 爆発するー!」

ハルカは叫びながら、観光客の間を縫うように突っ走る。京都駅の広さに圧倒され、彼女は右往左往。土産物屋や飲食店の看板が目に入るが、トイレの場所が分からない。

「トイレ…! 抹茶パフェの呪い! 美味しいけど裏切り者!」

ハルカが叫びながら走る姿に、近くを歩いていたミキがニヤニヤしながら叫ぶ。

「ハルカ、そっち男子トイレだよ! また突撃する気!?」

「え!? うそ!?」

ハルカは慌てて立ち止まり、振り返る。確かに、彼女が向かっていたのは男子トイレの入り口だった。観光客のおじさんが「ん?」と怪訝な顔でハルカを見る。

「違います! 私は女子です! ごめんなさいー!」

顔を真っ赤にして引き返すハルカに、クラスメイトたちは大爆笑。ミキがさらに追い打ちをかける。

「ハルカ、男子トイレ3連チャン! 修学旅行の記録更新! 動画撮っちゃった!」

「ミキ、消して! 私の黒歴史増やす気!? 京都駅で人生終わる!」

ハルカが絶叫しながらミキに飛びかかろうとするが、その瞬間、観光客の団体に押されてバランスを崩し、ケントにドーンとぶつかってしまった。

「うわっ! 佐藤、どこ見てんだ!」

「ごめん! でもトイレ…! 膀胱が…! 助けて、ケント!」

ハルカは涙目でケントの腕を掴む。そこへ、隣のクラスの美咲が優雅に歩いてきた。美咲はハルカの混乱ぶりを見て、ニヤリと笑う。

「ケントくん、ハルカってほんとダメね。京都駅で迷子なんて、私にはありえないわ。私なら迷わないよ~」

「美咲、黙れ。佐藤、トイレはあっちだ。案内してやる」

ケントは美咲を一蹴し、ハルカの手を引っ張ってトイレの方へ向かう。ハルカは「ケント、命の恩人! トイレの神様より頼りになる!」と叫びながら、ケントの後ろをついて行く。

だが、京都駅の広さはまるで迷路。ケントが案内板を確認している間に、ハルカは「もう限界! 限界!」と膝を震わせ、勝手に走り出してしまった。

「佐藤、勝手に動くな! 迷子になるぞ!」

「ケント、時間ない! 膀胱が国家非常事態なの!」

ハルカは叫びながら、エスカレーターを駆け上がり、京都駅の2階へ。だが、そこにあったのはまたしても男子トイレだった。

「また男子トイレ!? トイレの神様、京都駅でも試練なの!?」

ハルカが叫びながら引き返そうとした瞬間、ミキとクラスメイトたちが追いかけてきて、再び大爆笑。

「ハルカ、男子トイレ4連チャン! 伝説だ!」「京都駅のトイレマスター!」「ハルカ、男子トイレの妖精!」

「やめて! 私の名誉がー!」

クラスメイトの野次に、ハルカは頭を抱えて叫ぶ。そこへ、ケントが追いついてきた。ハルカの混乱ぶりに呆れながらも、彼女の手を再び引っ張る。

「佐藤、落ち着け。女子トイレはこっちだ。ちゃんと案内板見ろって言っただろ」

「ケント、ごめん! でも、膀胱が…! もう限界!」

ハルカは涙目でケントにすがりつき、ようやく女子トイレにたどり着いた。だが、トイレは観光客で長蛇の列。ハルカは膝を震わせながら「トイレの神様、修学旅行最後に試練多すぎ!」と叫ぶ。

列の隣に並んだミキが「ハルカ、さっきの男子トイレ突撃、めっちゃ面白かったよ! 動画、絶対バズるって!」とニヤニヤしながらスマホを構える。

「ミキ、消して! 私の人生終わる!」

「ハルカの膀胱パニック、修学旅行の名シーンだよ!」

ミキのからかいに、ハルカは「うう…恥ずかしい…」と呟きながら、なんとかトイレに突入。個室に入った瞬間、「生きてる…! トイレの神様、ありがとう!」と叫ぶ声が外まで響いた。

だが、急いで出てきたハルカ、スカートが裏返しになっていることに気づかず、ケントたちの前に戻ってきた。京都駅のコンコースでクラスメイトが集合している中、ケントが呆れた顔で指摘する。

「佐藤、バカだろ…スカート、裏返しだぞ」

「え!? うう…恥ずかしい!」

ハルカは顔を真っ赤にしてスカートを直す。クラスメイトたちが「ハルカ、トイレの妖精!」「スカート裏返しの新記録!」と囃し立てる中、ミキがさらに追い打ちをかける。

「ハルカ、ケントに指摘されてる! ラブコメじゃん!」

「違うー! ただのクラスメイト!」

その後、クラスは新幹線のホームへ移動。帰りの新幹線に乗り込んだハルカは、ケントの隣の席に座りながら感謝を伝える。

「ケント、修学旅行でいっぱい助けてくれてありがと! トイレパニック、いつも助けてくれて…」

「めんどくさかっただけだ。次はお前が自分でなんとかしろよ」

ケントはそっぽを向いて呟くが、ミキが後ろの席からニヤニヤしながら絡んできた。

「ハルカ、ケントにデレデレ! 修学旅行で恋のフラグ立ったね!」

「違う! ただのクラスメイト! ミキ、黙れー!」

ハルカは顔を真っ赤にして叫ぶが、心の中で少し思う。「でも…ケント、ちょっとカッコよかったかも…? いやいや、ただのクラスメイト!」

新幹線の中は、クラスの賑やかな笑い声でいっぱいだった。ハルカは窓の外の景色を眺めながら呟く。「修学旅行、楽しかった…。トイレパニック多かったけど…」

ミキが「ハルカ、次は学校でトイレパニック期待してるよ!」と笑いながら言うと、ハルカは「もうパニックしない!」と叫び返す。修学旅行は賑やかに幕を閉じた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る