第7話 黒い電話
年取った兵隊さんはニコニコ笑って聞いていましたが、
「ここは寒いから向こうの部屋で話を聞こうかな」
と言うと、もう一人の兵隊さんに言って王子を助手席に、サキエとスエコを年取った兵隊さんの横の席に乗せました。
そして年取った兵隊さんが運転手さんに指示をすると、自動車は大きな建物に向かって走り出しました。
建物に着くと三人は大きな部屋に案内されたのですが、そこには暖炉があってとても暖かかったので、王子は部屋には入らずに部屋の外の通路で椅子に座って待ちました。
やがて先程の年取った兵隊さんがやってくると、王子が帰らなければならない理由を年取った兵隊さんに話始めました。
「ボクが氷の国に帰って雪を降らせるのを止めさせないと、雪はいつまででも降り続き大変なことになる、だからお願いですボクをヒコーキで氷の国まで送ってください」と言いました。
年取った兵隊さんはしばらく考え込んでいましたが、部屋にある黒い電話を使って何事か相談をしていました。
そして電話を置くと。
「一時間後にここから連絡便の飛行機が飛び立つ予定だ、その飛行機に乗れるように手配をしたから、もう少しここで待つのだよ、用意が出来たら呼びに来るからね」と優しく言うと年取った兵隊さんは部屋から出ていきました。
そのあと三人は、兵隊さんに出してもらったお暖かいお茶と甘いお菓子を食べながら、待っている時間を過ごしました、王子はもちろん冷たいお茶です。
窓の外を見ると雪がどんどん降り積もっています。
本当に雪国のようになってきました。
「ヒコーキ本当に飛ぶのかな?」とサキエは心配になってきました。
つづく
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