第4話今を生きる
しろぴあのコンサートは次第に盛り上がりを見せていった。
「次は新曲です。「お金では買えないもの」」
きーちゃんはオーディエンスにあいさつし、静かにギターを奏で始めた。
「あらゆるものがカネで取引される時代。市場原理主義は正しいのか?だが、やはり何かがおかしい
民間会社が戦争を請け負い、臓器が売買され、公共施設の命名権がオークションにかけられる
結局のところ市場の問題は、実はわれわれがいかにして共に生きたいかという問題なのだ
大事なのは、出自や社会的立場の異なる人たちが日常生活を送りながら出会い、ぶつかり合うことだ
なぜなら、それがたがいに折り合いをつけ、差異を受け入れることを学ぶ方法だし、共通善を尊ぶようになる方法だからだ
われわれが望むのは、何でも売り物にされる社会だろうか。それとも、市場が称えずお金では買えない道徳的・市民的善というものがあるのだろうか
自分の意志で自分の身体を売って、何が悪いのか?プレゼントの代わりに現金を贈るほうが合理的では?
あるものが「商品」に変わるとき、何か大事なものが失われることがある。その「何か」とは?
結局のところ市場の問題は、実はわれわれがいかにして共に生きたいかという問題なのだ
大事なのは、出自や社会的立場の異なる人たちが日常生活を送りながら出会い、ぶつかり合うことだ
なぜなら、それがたがいに折り合いをつけ、差異を受け入れることを学ぶ方法だし、共通善を尊ぶようになる方法だからだ
われわれが望むのは、何でも売り物にされる社会だろうか。それとも、市場が称えずお金では買えない道徳的・市民的善というものがあるのだろうか
われわれが望むのは、何でも売り物にされる社会だろうか。それとも、市場が称えずお金では買えない道徳的・市民的善というものがあるのだろうか」
圧巻のパフォーマンスだった。聴衆の歓声が鳴り止まないうちに、きーちゃんは、
「次も新曲です。「今を生きる」」
「わたしは誰かに何かを与えたり誰かを評価したりできるような偉い人間であったろうか?
博愛がモットーのわたしではありますが、今を生きるのに精一杯で誰かを思いやる余裕はない
死に至る病から生還し
終わりよければすべてよし
革新をデザインするイニシエーション
不幸から抜け出すモチベーション
今を生きる、今を生きる
未来は全部「今」の積み重ね
今を生きる、今を生きる
過去の自分もそのときの「今」
今を生きる、今を生きる
努力の自責性、時間の不可逆性
今を生きろ、しっかり生きろ
過熱した時代に実存を誓う
今を生きる、今を生きる
未来は全部「今」の積み重ね
今を生きる、今を生きる
過去の自分もそのときの「今」
今を生きる、今を生きる
愛こそすべて、ジョン・レノンの哲学
今を生きろ、しっかり生きろ
みんな怯えながら生きてるのだから
今を精一杯生きていればそれで後悔はないというような刹那的な気持ちもあります
立派な経歴立派な人格そういったものとは最初から無縁のゴミためから始まった第二の人生
僕はいつだって甲斐性なし
健常に動けるだけマシ
脱構築的なインクルージョン
パラダイムシフト的イノベーション
今を生きる、今を生きる
損得勘定や打算でない愛情友情
今を生きる、今を生きる
理想と現実の狭間、終わりなき旅
今を生きる、今を生きる
彼女ひとり説得できない自分がいて
今を生きろ、しっかり生きろ
自己実現じゃない歴史的使命感
今を生きる、今を生きる
未来は全部「今」の積み重ね
今を生きる、今を生きる
過去の自分もそのときの「今」
今を生きる、今を生きる
恋をしてはまたふられの繰り返し
今を生きろ、しっかり生きろ
みんな怯えながら生きてるのだから」
観客の万雷の拍手と歓声はいつまでも続いた。
「お金では買えないもの」「今を生きる」の本当の作者はponziさんであった。
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