きめ細やかに構築された独特の世界観

源氏と平家の武者がその記憶を持って現代で魔物を狩る話の認識で読みはじめました。
違いました。
そこには現代とは似て非なる異世界が広がっていました。
前作を拝読した時も感じましたが、現実や過去の源平合戦のエッセンスを取り入れながら異世界であると分かる世界を作られる構築力が素晴らしいです。
そしてこの唯一無二とも言える世界観、空気感をことさらに主張することなく、主人公達の過去の記憶と転生後の気持ちをうまく溶け合わせ、人間と人間のドラマとしてまとめ上げている筆力が見事です。

私は日本史があまり得意ではなく、薄い知識しか持ち合わせていないのですが、それでもどきどきハラハラ、登場人物に寄り添いながら完読することができました。
素晴らしいお話を拝読させていただきありがとうございました。

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